核家族という言葉を小学生だったか、とにかく学生の頃に学びました。夫婦のみの世帯、もしくは夫婦(一人親も含む)とその未婚の子どもで構成される家族の形態をそう呼ぶのだそうです。
実家にいた頃は両親と妹と暮らし、結婚した今は夫と二人での生活。私は生まれてこの方、祖父母と暮らしたことがありません。この”核家族”で35年以上生きて来たことになります。小学4年生の夏までは、父方の祖父母の家の80m圏内に暮らしていたので、あまりそんな感じもないんですけれどね。
Wikipediaさんによると、この核家族の対になるのは、拡大家族、大家族、複合家族になるそうです。祖父母であったりと暮らす世帯はそう呼ぶのかとこの歳で初めて知りました。
でも、ふと考えると、家庭的なアニメってだいたいが祖父母と暮らしていますよね。特に昭和の臭いが強い『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』は祖父母と孫が同じ一軒の家で暮らしています。それが、私が生まれるより少し前の世代では当たり前の風景だったのでしょう。『ドラえもん』だって、今はもう亡くなられていますが、おばあ様と暮らしていた時期があったような。のび太君がおばあ様に会いに行くみたいな話を聞いた事があります。
そんなわけで、私にとっては三世代が一軒で暮らす生活というのは、ある意味ファンタジーのような感覚なんですね。物語の中でみる”家族像”みたいな。
今回みた映画もそんな世界。『ホーホケキョ となりの山田くん』を観ましたので、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。
どんな映画?
山田さん一家は平々凡々な生活を送っている5人と犬一匹の家族だ。時には、買い物に夢中になるあまりスーパーに娘の のの子を家族全員が忘れて来てしまったり、一家を支えるたかしが妻のまつ子とチャンネル争いをすることも、ねこ飯のことで息子の のぼる と意見が食い違うこともあるけれど、なんだかうまくやってる。そんな彼らのモットーは、「家族揃って手を携えて生きていけば、”ケ・セラ・セラ”人生、なるようになる」である。
(映画ドットコムより引用)
感想やらなんやら
監督は、以前拝見した『平成狸合戦ぽんぽこ』や『おもひでぽろぽろ』と同じ高畑勲監督。(この2作品についてはこちら↓)
1999年に公開された作品ですが、スタジオジブリでは本作からセル画を用いないデジタルでの製作に移行したとされています。なんでも『かぐや姫の物語』が公開されるまでは、ジブリの中で一番多い作画枚数だったんだとか。さすが高畑勲監督。水彩画のようなラフな絵でありながら、とても美しい線、配色でした。
物語としては、クスっと笑えたり、ちょっと考えさせられたり、悲しくなったり。特に中村玉緒さんが声をされているキャラクターが出てくる病院のシーンは、ジーンとくるものがありました。言いたくないよね。はぐらかしたいよね。楽しい話がしたいよね。
そんな短いお話しが、団子のように連なっているような構成です。今なら炎上してしまいそうな、未成年の飲酒ネタや、娘の のの子ちゃんをデパートに置き去りにして探すお話しなんかも。でもこの時代なら…と許せてしまうんですね。私にとってはファンタジーの家族像でしたが、中には郷愁を誘う作品になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『ホーホケキョ となりの山田くん』って金曜ロードショーで放送されたのは1度きりだそうです。ですから観たことがない方も多いのかしらん?ちなみに私は観たことがありませんでした。公開当時のCMだと思いますが、クラス担任の女性が『適当』と書いた文字を読み上げ、ニッコリと「適当にね」とほほ笑むシーンは印象に残っていましたが、それ以外は本当に何も覚えていませんでした。
ですので、どういった作品なんだろうか…とちょっと心配もありつつ観ました。結果としては面白かったです。高畑勲監督作品!として構えてみると拍子抜けしてしまうかもしれませんが、ゆったりと炬燵でミカンを食べながら観るのにちょうどいいんじゃないかしらん。
ただどうしても、映画の意味を探したくなる私としては、終わってみると「???」状態。高畑勲監督はどうしてこの作品を作ったんだろう。何を伝えたかったんだろう…?と考えてみても、よくわかりませんでした。
1999年でしたら、核家族はもう珍しくもない時代。そんな時代に、あえて三世代の家族像を描くことで、懐かしくなりつつある家族の美しさ、素晴らしさ、複雑な愛おしさを説こうとしたのか…。原作をどのくらいなぞっているのか分かりませんから、なんとも言えませんが、そんなチープな理由でもない気がするのですけれど。
作品として面白かったですが、高畑勲監督作品、さらに映画である必要はあったのだろうか?と疑問ではありました。30分枠のアニメで観たかったなぁ…なんて。パンダコパンダやハイジみたいに。それなら最高だったと思います。
その上で、もう一回観たらまた感想がかわるのかしらん?噛めば噛むほど美味しいスルメのような作品なのか、スルメだと思ったら味が付いていなかったただのイカなのか。また、自分のなかでの移ろいを楽しめたらと思います。
よもやま話
私の祖父母で存命なのは、母方の祖母のみとなりました。数年前に父方の祖母、母方の祖父を亡くし、昨年、父方の祖父も他界したそうです。遠方ということもあり、祖父の葬儀には出ていませんし、昨年帰省したタイミングで何かをしたわけでもないので、まだあまり実感はありません。
ただ祖父母だけでなく、両親だって、というかまぁ自分も含めて、年齢関係なくどんな世代でもそうなのですが、身内の不幸が珍しくない年齢になったのだな…と。存命の祖母も随分と認知症が進んでいるようです。年に1度しか会えないので、いずれ私のことも忘れてしまうのだろうな…と、なんとも言えない気持ちになります。
そういった姿を見るのが辛くて避けてしまいたい、帰省したくないっていう我が儘もあるのかもしれません。でも、亡くなってから「もっと会っておけばよかった」と後悔しても遅いですから、せめて年に1度は顔を出したいと思っております。私はお正月とお盆の帰省は外し、4~5月の気候が良い時期に帰省するようにしています。それまでどうか祖母や家族たちが元気でいてくれますように。
家族というものを考えるきっかけをくれたのであれば、映画、観て良かったなぁ…と思っております。はてさて、次は何を観ましょうかね。
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