SIMPLE

シンプリストになりたいのです

映画・バグダッドカフェ の感想

ミニマリストとして生きたい!と息巻いて日々を暮らしていたころの話。

自分の荷物をスーツケース1つ分におさめ、特定の住居に暮らすのではなく、ホテルやウィークリーマンションなどで暮らす。まるでノマドのような暮らしをしている人の話を本で読みました。

当時は、いいな!私もそんなふうに生きたい!と思ったものです。今は、最小限よりも少し多い、最適個数を目指しているのでスーツケース1つには収まらなさそうです。

今回はミニマリストにおすすめの映画!などでよく目にする、「バグダッドカフェ」を見ましたので、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

あらすじ

アメリカのとある砂漠地帯。1組のドイツ人夫婦がなにやら喧嘩をしているようです。妻・ジャスミンは自分の荷物を持って車を降りてしまいます。そして、どこまでも続いていそうな幹線道路を重いトランクを引きずって歩き出したのです。夫も怒りがおさまらないようで、コーヒーが入った魔法瓶だけ残して、車を発進させてしまうのでした。

一方、幹線道路沿いに一軒の寂れたカフェがありました。そこはモーテルやガソリンスタンドも併設されているようです。女主人のブレンダはなにやら機嫌が悪いようで、あちらこちらに怒鳴り散らしていました。

息子のピアノの練習はうるさいし、娘は遊びほうけているし、孫の赤ちゃんの面倒はだれも見ないし…夫も、壊れて新しく注文したコーヒーマシンをいつまでも取りに行ってくれないし、挙句道端で魔法瓶を拾ってくる始末です。そのままブレンダの怒りは大爆発。夫はそのまま出て行ってしまいました。

怒りや悲しみといった感情に苛まれているブレンダの元に、ジャスミンが近づいてきました。幹線道路を随分と歩いて、バグダッドカフェまでやってきたのです。そして、ジャスミンはそのままバグダッドカフェで宿をとることに決めたのでした。

部屋に入ってみると、飾られた1枚の絵に衝撃が走ります。青空に2つの太陽が輝く風景画に、魅入られたのでした。

それからジャスミンはトランクを開封しますが、なんと中に入っていたのは夫の荷物。どこかで入れ間違えてしまったのか、男ものの衣服や髭剃りなどが入っていました。バグダッドカフェの主は、掃除に入った際に、ジャスミンの荷物に対して不信感を抱きます。地元の保安官 アーニーを呼び出し、ジャスミンの取り調べをしますが、特に問題はないということで、お開きになったのでした。

翌日以降もジャスミンは、バグダッドカフェに留まることにしました。とはいえ、周りに観光できるところもないため、暇を持て余してしまいます。そこでジャスミンは、バグダッドカフェ内を勝手に掃除しはじめてしまいました。

買い出しから帰ってきたブレンダは当然怒り狂い、銃まで持ち出しましたが、その場は何とか収まり事なきを得ました。それからもジャスミンは、赤ちゃんの面倒を見たり、子どもたちと仲良くなったり、カフェに集まる客とも親交を深めていきます。

ブレンダはそれに納得できず、そんなに子どもと遊びたいのであれば、自身の子どもと遊べばいい!と怒鳴りつけてしまいます。けれど、ジャスミンは子どもがいないことを悲しげに伝えるのでした。それからブレンダも少しずつ、ジャスミンと心を通じ合わせるようになります。

ジャスミンは荷物の中にあった手品の練習セットでマスターした手品をカフェの客に披露するようになります。すると、その手品はどんどんと評判になり、カフェは大盛況するようになったのでした。

ある日、ジャスミンはカフェの客であるコックスから絵のモデルになってほしいと頼まれます。ジャスミンの部屋に飾られた絵は、彼が描いたものだったのです。それからジャスミンは、バグダッドカフェの手伝いと、コックスのモデルに…と忙しい日々が続きます。

しかし、再び地元の保安官がバグダッドカフェにやってきたのです。ジャスミンのビザはとうに期限が切れていますし、労働許可証も持っていません。そのため、ドイツに帰国するように命じられたのです。

ジャスミンのいなくなったバグダッドカフェはまた以前のように閑古鳥が鳴く、寂しいカフェに逆戻り。友人を失ってしまったブレンダも悲しみに暮れてしまい…

感想

ドイツでは1987年に、日本では1989年に公開された作品ということで、時代の違いや映像技術の違いも楽しめる作品でした。生まれる前の作品を見るのは久々です。制作は西ドイツとアメリカとのこと。アメリカや韓国、フランスの映画などは見たことがありますが、ドイツは初めてかも?

先日見た「めがね」という映画もそうでしたが、何が起こるか…というあらすじよりも、その作品の空気感というものが重要な映画だと感じました。哀しい映画でもなければ、コメディみたいにケラケラ笑う作品でもない。大きな何かがあるわけではないけれど、なんだか見入ってしまう。そんな感じ。

見終わった後、ちょっとほっこり優しくなるような映画でした。夫には、霧雨の中にいるような感じ…と言ったのですが、何を言っているんだという顔をされてしまい残念でなりません…!

もう一度見るとしたら、10年後くらい。その時はどんな風に思うのかなぁなんて妄想するのも楽しかったです。

よもやま話

冒頭、スーツケース1つで生きる人のお話をしました。実際に人が生きていくために必要な物ってそんなに多くないのだなぁと改めて気づかせてくれるのですけれど。

バグダッドカフェの作中でジャスミンの荷物はそれよりも少ないんです。トランクの中身を入れ間違えてしまったから。それでも創意工夫でジャスミンは何とかしていくし、なんだかんだ今あるものだけ生活ができるんだなぁ…って。ミニマリスト的な視点から見るのも楽しかったです。

 

ゼラチンで 水ようかん をつくる

随分と暑い日々が続いておりますね。私が住んでいる地区では、お昼前に熱中症に気を付けましょうといったアナウンスが毎日のようにされています。こうなってくると、ひんやりした和菓子が食べたくなりますよね~

ひんやりした和菓子で思い浮かぶものはなんでしょう?個人的には、水ようかんなんかも好きなんです。ちゅるんと食べられるのが楽でいいんですよね。

そんなわけで、水ようかんを作ろう!と思い立ったのですが、我が家には寒天は常備しておりません。水ようかんだけのために買うのもなぁ…と冷蔵庫を見ていたところ。見つけました、代用品となりそうなゼラチンを。

今回は、ゼラチンを使って 水ようかんを作っていきたいと思います❀

材料

こしあん…250g

水…150cc

ゼラチン…10g

水(ゼラチン用)…75~100cc

①ゼラチン用の水にゼラチンを上から入れて、混ぜる

スプーンなどでよーく混ぜましょう。ちょうどつまようじを持っていたので、私は代用していますが、あまり混ざっていません。

②鍋に水とこしあんを入れて弱火にかけながら、よく混ぜる

こしあんが水に均一に混ざるまで、よーく混ぜます。沸騰しないように、火はあまり強くないように。

こしあんが混ざったら、ゼラチン(①)を鍋に入れてよく混ぜます

ゼラチンを混ぜ入れます。沸騰しないように気を付けながら5分ほどかき混ぜ続けます。

④氷水にさらして混ぜ続け、粗熱が取れたら好きな容器にいれる

あれば氷水をボールにいれます。なければ、火からおろしてさえいれば大丈夫。

ひたすらまぜまぜ…。粗熱が取れてきたらOKです。

タッパーにいれました。

⑤冷蔵庫で数時間冷やしたらできあがり❀

大きさにもよると思いますが、1時間だとまだ完全に固まりきってませんでした。3時間くらいで完全に固まっていたように思います。

完成したものがこちら❀しっかりとこしあんの風味もあり、喉越しもちゅるんとしていて大満足です!以前作ったジンジャーシロップで、ジンジャーエールをつくり、1切ずつ味わっていただいております。

あまり長くはもたないので、2~3日中には食べきった方がよさそうです。ゆっくりと読書しながら、甘いものを食べて…幸せでございます。

 

自宅で こしあん をつくる

ときたま耳にする「あんこは つぶあんこしあん か」という論争。どちらもいただける私としては、おいしければどちらでもいいというほかありません。一応、西日本ではつぶあんが、東日本ではこしあんが好まれる傾向にあるそうです。

我が家では あんこ は購入するものではなく、作るもの。今まで何度か小豆からつぶあんをこしらえてきました。

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夏になってくると恋しくなるとあるものを作りたいなぁ…と思い立ち、今回はこしあんをはじめてつくってみました❀今回はこしあん作りについて綴っていこうと思います。

材料

小豆…好きな量

砂糖(我が家は三温糖)…小豆と同じ量

塩…ひとつまみ

 

やる気と腕力。

①前日の夜から、洗った小豆を水に漬けておく

小豆を洗い、シワシワになっていたり傷がついている小豆を取り除きます。(傷んだ小豆が入ると雑味がでるそうな)。ボールに小豆と水を入れて一晩おきます。

小豆が水を含むので、水は多めが良いです。可能なら途中で水を変えてあげましょう。

翌朝の小豆がこんな感じ。随分とぷっくりしました❀

ちなみに、水はこんな感じ。ワイン色に染まっています。渋みの原因になるので、ボールや鍋はこまめに洗ってあげます。

②小豆を洗い、鍋に入れる。小豆よりもたっぷりのお水を入れ、沸騰させて5分煮る。ザルにあげてもう一度、小豆を洗う

綺麗に洗ってあげた小豆を鍋に入れます。小豆よりも多めの水を入れ、中火~強火くらいで煮ていきます。

すぐに色が変わります。アクはこまめに取りましょう。

5分煮たら、ザルにあげて、もう一度小豆を洗います。空になった鍋は一度きれいに洗います。そのままの鍋だと、渋みが出てしまうそうな。

③小豆を鍋に戻し、再びたっぷりの水を入れて小豆が柔らかくなるまで煮ます。沸騰したらフタをします。(30~40分くらい)

綺麗に洗った鍋に、水洗いした小豆を戻します。たっぷりのお水を入れて、ひたすら煮ます。

最初は中火で沸騰したら蓋をして、弱火に。私は40分くらい煮ました。アクはこまめに取って、焦げ付かないように こまめにかき混ぜます。水はできるだけ小豆より下回らないように、こまめに継ぎ足します。

40分後がこちら。指で簡単につぶせるくらい柔らかくなっていたらOK

④小豆をザルにあげて、水を切ります。水が切れたら、いったんきれいなボールなどに小豆を置いておきます。きれいに洗ったザルか、こし機があればボールの上にセットし、おたま 1すくい分の小豆を入れて、ひたすら こす…を繰り返す

おたま 1すくい分くらいの小豆を こし て、また入れて こし て…を繰り返していきます。皮を取り除いていく感じですね。ボールとザルが少し重なるくらいの量の水を入れてやると、やりやすかったです。

なかなかに腕が疲れますが、ひたすら こし ていった結果がこちら。左が皮、右が中身です。

⑤5分ほどおいて、上澄み部分を救います。

正直この作業は何のためなのだろう?と思いながら、調べたサイトのいくつかで行われていた上澄みを捨てる作業。たぶん何かの意味があるはず!

お水が透き通るまで数回繰り返しましょう。

⑥清潔なさらしで水分をしぼります

清潔な晒しの上に、こした小豆をのせて、水分を絞ります。

何度かにわけて、できるだけ絞り切りましょう。

しぼりきった 小豆がこちら。ブロックみたいになりました。

⑦砂糖と、砂糖に対して4分の1の量の水をきれいに洗った鍋に入れます。沸騰したら、小豆ブロックを投入して、お好みの固さになるまで煮詰めます。

水と砂糖を入れて、中火にかけます。我が家は三温糖ですが、グラニュー糖などでもいけると思います。

泡がでて沸騰してきたら、火を少し弱めて ブロック状になった小豆を投入。

全体が混ざるように、ひたすら混ぜ続けます。焦げ付く可能性があるので、あまり火は強くせず、ねばりが出て、角が立つくらいがベストなんだそう。

⑧好みの固さになったら、塩ひとつまみをいれてよく混ぜる。粗熱が取れたらできあがり❀

赤味噌くらいにデロ~ンとなってきたら、塩をひとつまみ入れます。

塩が全体に混ざって、粗熱がとれたら器にうつしてあげましょう。これで完成です!

よもやま話

つぶあんは何度かあれど、こしあんは初めての試み。そんなわけで、様々な料理サイトなどで作り方を調べて挑戦いたしました。

まず驚いたのがですね…完成したつぶあんをこしたものが、こしあんだと今まで思っておりましたが違うのですね!途中でこして、砂糖をいれてこしあんにする。勉強になりました。

砂糖の配分などは好みですので、どんな味が好きかで調節可能だと思います。

市販品のこしあんは砂糖などの味を強く感じて、あまり小豆の風味を感じないことが多いように感じます。けれど、完成品をつまみ食いしてみた感想としては、ちゃんと小豆の風味も感じるし、ちゃんとこしあんの味!おいしい!ということで大満足でございます❀

パンにぬってバターをのせて小倉トーストにしたり、あんまんをつくってもおいしいだろうなぁなんて。腕力と時間さえあれば、別段難しくはないので、また機会があればつくりたいと思います❀

 

ドル活!その④ ウィッグ

セリアで販売されているカスタムドールの制作日記(?)も4回目になりました。

前回はウィッグの台座部分を作成しましたので、今回はウィッグとして使えるように髪をはやしていきたいと思います。…とはいえ、随分と悪銭苦闘いたしまして。今回UPするのは試作号となりそうです。

人形のカスタム写真や、髪の毛などの写真がございます。苦手な方はお気を付けくださいませ

張り付ける毛束をつくる

随分と以前のこと、球体関節人形を作成しようとして断念した…という苦い思い出がございます。その際に購入したドール用の髪がありますので、こちらで作成していこうと思います。

他に使うのはクリアファイルとボンドと、あればマスキングテープ。ピンセットやつまようじなんかもあると便利です。

手元にある髪の長さは30㎝ちょっと。ドールのボディが10㎝。このままでは随分と余ってしまいます。

そんなわけで。半分にぶった切ります。↑写真上部には髪をまとめている部分がありますが、切り落とされた下部分にはありません。ボンドで固定していきたいと思います。

ボンドをまっすぐに引いて、切り落とした髪を並べていきます。ボンド部分を何度かピンセットやつまようじで押すと、全体的にボンドがなじみます。並べるのに失敗した髪も拾っては並べ…拾っては並べ…を繰り返し、乾かします。

ボンドが透明になったら、クリアファイルから剥がしとりましょう。

台座に貼り付けがしやすいように、余分な部分はカットします。

貼り付け

ウィッグの台座の後頭部の辺りから張り付けて…足りなくなったらまた毛束を作って…をひたすら繰り返します。

やっと頭頂部!

前髪は台座の内側に貼り付け、折り返すことにいたしました。折り返す際にエンボスヒーターやアイロンを使ったのですが、熱の具合がなかなか難しい…!

お好みの長さにカットしたら完成です

髪の長さが不ぞろいなので、揃えてカットしてあげたら完成です。

日本髪を結うようにしたいなぁ…でもどうしようかな…と悩み中。2パターン作るのもありかな…なんて。とりあえず、決定するまでは、長さをまとめて、汚れないようにゆるく縛っておいておこうと思います。なんにせよ、今回のウィッグにはあまり納得ができていないので、作り直しするか検討中でございます。

よもやま話

ドールアイをカスタムしたときにも思いましたが、ウィッグを装着すると人形感が増したように思います。なんだか素っ裸にしておくのが、しのびないです。アニミズム発揮しております。

次回以降なのですが、とりあえずヘッド部分が完成したのでカスタムは以上になります。とはいえ、まだまだお洋服を作ったりとか、小物を作ったりとか、することはたくさんありそうです。

…なんですけど!実は、今回作りたいなぁと思っているドールが2体いまして。この子は、その練習もかねて作成した子なんですね。そんなわけで、次回はもう2体のドールのカスタムについて綴れたらなぁと思っております。作り方に差異はなさそうですので、完成したものをUPすることになるといいなぁと。

ちなみにその2体は、自分の好きなキャラクターのドールにしようと思っておりまして。今から作るのが楽しみです!銀髪もダイソーでGETすることができたし、今月中に制作できるようにがんばります!

今回作成した子のお洋服は、その2体の制作後にまとめて制作しようかなぁと。(布屋さんに行くのを1回で済ませたいという魂胆でございます)

次回をお楽しみに~♪

 

 

ドル活!その③ ウィッグ(台座)

先日、ドール活動 略してドル活のお話をいたしました。セリアで販売されている、カスタムドールを自分好みに育てていく…以前から興味があり、やっとゲットいたしました❀

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前回、前々回では可動式ボディのバリ取りなどの下ごしらえや、アイドールの作成について綴りました。今回は、髪の毛。ウィッグの台座部分の作成をしていきたいと思います!

人形のカスタム写真などがございますので、苦手な方はお気を付けくださいませ。

ウィッグの台座

ヘッド部分に直接、髪をはやしていくこともできるのですが、それはさすがに面倒…ということで、まず髪の毛をはやすための台座を作っていきたいと思います。

ボンドを使用するので、汚れないようにラップで保護して…

台座には、伸縮性のある薄い生地を使用します。私は排水溝ネットのストックがありましたのでそちらで代用します。

二重に頭に巻き付けて、輪ゴムで固定します。

あとはウィッグで使う形にボンドをぬりぬり。できるだけ、薄く均一になるように。

乾くとこんな感じ。

すっぽり引き抜いて…

頭の形にカットしたら台座部分は完成です。自分の好きなウィッグの形に微調整できるのでいいですね。もみあげ部分を忘れてしまいましたが、あとからなんとかなるでしょう。

よもやま話

ドールのカスタム。好評のお声をいくつかいただけてうれしい限りです。結構写真がホラーなので、UPしようかな…どうしようかな…と思っていたもので。できるだけ写真が怖くないように気を付けておりますが、それでもやはりホラーがかってしまうことが多々。夫は日々、変わっていく人形の姿に戦々恐々としておりましたが、最近は慣れてきたようで、私としても一安心でございます。

さて、次回はウィッグに髪をはやしていきたいと思います!なかなか難しく、あくまで試作号になってしまいましたが、本番に向けて試行錯誤していきたいと思います!

 

映画・ヘルプ の感想

大学時代、私は訳あって就職活動をしませんでした。卒業後はショッピングモール内にある文房具屋と映画館でアルバイトの掛け持ちをして、生活していたのです。

朝9時40分から17時まで文房具屋、18時くらいから深夜1時くらいまで、遅い時だと明け方の4時くらいまで働いていました。当然、身体も心もズタボロになってしまって、長くはもちませんでした。

けれど、映画館のアルバイトは悪い思い出ばかりではありません。座席が空いていたら上映中の作品を見ることができて、レミゼラブルとかは何度も見ました。早番で入っていたりすると、勤務時間後に1本映画を見て帰る…とかができてうれしかったなぁと。

その当時に「ヘルプ」という映画を見たのですが、久しぶりに見たいなぁと数年前から薄ぼんやりと考えておりまして。やっと実現することができましたので、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

ヘルプ 心がつなぐストーリー のあらすじ

1960年代のアメリカ、ミシシッピ州ジャクソン。

スキーターは上流階級に生まれた白人女性です。大学在学中は実家を離れていましたが、卒業を機に地元に戻ってきたのでした。スキーターは作家になることを夢見ており、経験を積むために出版社で働くことになりました。仕事内容は、家事などにまつわるコラムの代筆でした。

当時、裕福な白人家庭では黒人メイドが家事や、子育てをする…そんな暮らしだったのだそう。しかしスキーターが実家に帰省すると、自分を大切に育ててくれた黒人メイドのコンスタンティンが居なくなってしまったことに気がつきます。

再会することを楽しみにしていたスキーターは、何故彼女がいないのか母親に尋ねます。しかしシカゴにいる家族と住むために突然仕事を辞めたとこと以外を答えてはくれないのでした。

コンスタンティン「誰だって秘密はあります」

スキーター「男子が私をブサイクと。ママは州の美人コンテストで3位だったのに」

コンスタンティン「自分を憐れむのはおやめなさい。それこそブサイクですよ。”ブサイク”は心の中に育つもの。イジワルで人を傷つける男子そっくり」

(作中より引用)

コンスタンティンはスキーターにとって育ての親でした。そんな彼女が自分になんの連絡もなく辞め、その後連絡が途絶えるとは考えられません。何が起こったのか突き止めようとしますが、家族も誰一人答えてはくれないのでした。

 

スキーターが久々に友人のエリザベスの家に訪れました。そこで定期的に集まってトランプゲームをしているのです。その中でのリーダー的ポジションにいるのがヒリーです。

ヒリーは、各家庭に黒人用トイレをつくるべきだと主張しています。そして、スキーターに会報誌にキャンペーン記事を載せるように言ってきたのです。それに対して、スキーターは黒人たちが差別されている現状に違和感を覚えます。

スキーターはコラムの代筆の仕事のために、エリザベスの家でメイドをしているエイビリーンに取材をさせてほしいと頼みます。コンスタンティンがいなくなってしまい頼める人がいないのだ…と。エリザベスは渋々了承するのでした。

そこで、黒人メイドたちが今どのような境遇で、どのようなことを感じているのかを取材し、本にしようと考えます。ニューヨークの編集者にもインタビューができるのであればと後押しされ、実行にうつそうと考えるのでした。

しかし、そんな簡単に取材ができる訳がありません。当時、白人と黒人の交わりはタブーのような扱いを受けており、もしインタビューに答えようものならエイビリーンの命は危険に晒されるのです。エイビリーンの親戚は黒人が選挙の投票所に行ったというだけの理由で殺されました。そして、自身の子どもも黒人であるからというだけで、不当な扱いを受けて命を落としていたのです。

エイビリーン「私が怖いのは 視線 です。人種分離法(ジム・クロウ)よりも」

スキーターが何度か説得しても、エイビリーンの心は変わりませんでした。

しかしある日、エリザベスはヒリーの言葉をうけて、黒人用トイレを作ることに決めました。しかも場所は室外でした。エイビリーンは、絶対にインタビューを受けたのが自分だとバレないようにとスキーターに釘を刺し、インタビューに受けることに決めたのでした。

それからミニーという女性も加わり、更にはメイドの仲間が不当な扱いを受け逮捕されたことをきっかけに大勢のメイドたちがインタビューを受けてくれることになるのでした。

原稿の最後の締めくくりは、自身のこと。そう、コンスタンティンのことです。真剣に母親に尋ねたところ、スキーターはコンスタンティンについての悲しい現実を突き付けられることになるのでした…

感想

黒人差別をテーマにした映画を見たのは、きっとこれが初めてだったのではないかと思います。12年ほど前は、黒人差別ってよくないよね!とかそんな感想を抱いたんじゃなかったかなぁと。それから、「ドリーム」や「ヘアスプレー」を見て、差別を受けている人々が声をあげることが、いかに危険か…命に関わることなのか…ということを知りました。

「人生を切り開いて」というのがラストメッセージかなって勝手に思っているんです。この映画はハッピーエンドでありますが、見方によってはハッピーエンドではない。もちろんバッドエンドでもないけれど。当時はハッピーエンドとしか思わなかったので、今と当時では感じ方が変わったのかもしれません。

あらすじでは触れませんでしたが、扱っているテーマは黒人差別だけではありません。女性の就職や、結婚・出産に関しても触れられています。

序盤にスキーターが戻ってきて、久々に友人たちと再会するシーンで”いつまでも帰ってこないから”といった描写がありました。それに対して、スキーターは”大学は4年あるのよ”と答えます。言ってしまえば、彼女たちは大学が4年生であることを理解していなかった…ということですよね。それくらい、大学への進学が一般的ではなかったということでしょう。

そして、高校卒業後、彼女たちはいっせいに結婚をして、ベビーラッシュに乗り遅れないようにと子どもを産みます。エイビリーンはそれを”子どもが子どもを産む”と表現していました。でもそれが、当時のその地区では一般的な生き方だったのでしょう。

また、大学を卒業し、就職したスキーターに対して母親はあまり好意的ではありません。男性の気配を見せないスキーターの結婚の心配ばかりをしています。スキーターがそこでは一般的である生き方を選んでいないことが、不安で仕方なかったのかもしれませんね。

そういった、今と1960年代との価値観の違いも勉強になったように思います。

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よもやま話

映画を見ていて「区別と差別の境ってどこなんだろうか…」とふと思いました。

作中で”黒人と白人は違う。だからトイレは別にしなければいけない。これは区別であって、両方つくることが平等であること”と言ったことをヒリーが言うんです。

今、現代を生きる私たちはこれに対してNOと言えます。それが差別であると、理解しているから。でも、当時の人々にとっては差別ではなく、区別であると理解しているのだとしたら…。

ここ数年、日本もトイレで揉めていますよね。女性用トイレをなくし、男性用トイレと男女兼用トイレだけを残すという場所もあります。新幹線だってそう。女性専用のトイレは設けられていないことが多いです。逆に女性専用車両はあるのに、どうして男性専用車両はないんだ!という声もあります。痴漢問題や、トランスジェンダーの方への配慮であったり、いろんな問題が背景にありますから、どうすればいいと一言で言えないのが難しいところ。

私は今、この『性別』というものを区別だと考えているけれど、50年先はどうなんだろう?もしかしたら未来の人々には”トイレって昔は生物学上の性別で分けられていたんだよ!同じ人間であることに違いはないのに、これって性別による差別だよね!”なんて思われてしまうんだろうか。

それはちょっと嫌だなぁ、でも女性用トイレがなくなるのも嫌だなぁ…なんて感じてしまうあたり、私もヒリー達と変わらないのかもしれないません。

もちろん性別と肌の色を同列で考えてはいけないのかもしれません。けれど、それぞれ考えて、いろんな視点を持つことが、今私にできる最大限のことなんだろうな…と思っております。

はてさて、次はなんの映画をみましょうかね?

 

映画・めがね の感想

以前、「かもめ食堂」という映画を見まして。雰囲気と言えばいいのか、何がと聞かれると困ってしまうのですが、「好き!」と思える作品でございました。「かもめ食堂」について調べているなかで出会ったのが「めがね」です。演者さんも監督やスタッフも似たメンバーで制作されているそう。

映画「めがね」を見ましたので、感想をネタバレを盛大に交えて綴っていきたいと思います。

あらすじ

南の島にある海辺の小さな町にやってきた主人公 タエコ。宿の主のユージが描いた地図を手掛かりに、ちょっと不思議な一軒宿 ハマダにやってきました。

ユージ「迷わずにきたお客さんは3年ぶりです。才能ありますよ、ここにいる才能」

(作中より引用)

宿にはユージのほかに、サクラという女性がいました。彼女は毎年、春の間だけこの島にやってきて、浜辺でかき氷屋をしたり、朝にはオリジナルの「メルシ―体操」を近所の人々に指導している謎の人物でした。

タエコは彼らのマイペース過ぎる感覚に戸惑いつつも、自分の距離感を保とうとします。翌朝、タエコとユージ、サクラの3人で食卓を囲んでいるときのこと。タエコはこの近くの観光地について尋ねますが、あとの2人は気まずそうに顔を見合わせます。

ユージ「観光するところなんてありませんよ」

タエコ「え…じゃあ、ここに遊びにきた人はいったい何をするんですか?

ユージ「たそがれる…?」

タエコ「たそがれ…」

(作中より引用)

この島に集まる人々は、観光や何かをしにくるわけではなく「たそがれる」ために来るのだと言います。しかし、タエコにはたそがれるというのがよくわかりません。なにもせずにぼーっとするということができないのです。そのため、近くのお店で安売りされていた毛糸玉を購入し、ひたすら何を編むということも決めずに編み物を始めるのでした。

タエコ「あの、たそがれるというのはこの辺の習慣か何かですか?」

ユージ「そんなたいしたもんじゃありませんよ。クセみたいなもの」

タエコ「クセ?」

ユージ「なんとなくたそがれるのが得意な人が集まってるっていうのかな」

タエコ「たしかに得意そうですね」

(作中より引用)

ハマダには、高校教師をしているというハルナという女性も食事時になると現れて入り浸っているようでした。しかし遅刻の頻度が高いようで、ずいぶんとゆるいようです。

サクラは毎朝枕元まで起こしにくるし、メルシー体操の音楽はうるさいし…。タエコは耐え切れず、宿を変える選択をしました。しかし、島にもう1つある宿は、午前中は農作業をし、午後は勉強会をさせられるという道場で、タエコはすかさず引き返すのでした。

往路は、ハルナが車で送ってくれたため問題はありませんでしたが、復路は1人です。長い長い道を、トランクを引きずりながら歩かなくてはなりません。朝食も食べずにでてきてしまったタエコは、空腹やら疲れやらで、道半ばで座り込んでしまいました。

そこへ、サクラが三輪車に乗ってやってきました。タエコを迎えに来てくれたのです。サクラはトランクではなく、タエコだけを荷台に乗せます。荷物がぎっしりと詰まったトランクはそのままに、黙って2人はハマダまで帰っていくのでした。

それ以降、タエコはハマダの面々に少しずつなじむようになりました。一緒に囲むことを嫌がっていた食事も一緒にとるようになりました。たそがれるのも、少しずつうまくなっていきます。

そんなある日、ハマダに新たな客がやってきました。男性の名前はヨモギ。タエコの知り合いのようで、「先生」であるタエコを探してここまで来たと言います。そしてヨモギは一瞬でその島やハマダに馴染んだようです。

ヨモギ「春の海 ひねもすのたりのたりかな」

ヨモギは海辺で松尾芭蕉の一句を口にします。春の日は一日中うとうとするなぁなんて言いながら、たそがれているようです。

タエコは、かき氷が苦手ということで、それまでサクラのかき氷屋に立ち寄ることはありませんでした。しかしユージに勧められていくことにしました。あのかき氷のおかげて今の自分があると言うのです。サクラのつくるかき氷は、器の底につぶあんを敷き、その上に氷、そして蜜をかけたシンプルなものでした。しかし、タエコもヨモギもそのかき氷に魅了されます。

代金を払おうとする2人ですが、そこでは金銭の受け渡しはありません。そこでは物や、行動で対価を支払います。氷屋さんは氷を持ってきて、かき氷を食べていきます。近所の人は、野菜や果物を。小さな子どもは自分で折った折り紙を。ユージとハルナはマンドリンの演奏が対価でした。タエコは自分にできることは何か考えるのでした。

しばらくして、ヨモギがタエコに言います。

ヨモギ「先生」

タエコ「ん?」

ヨモギ「旅は思いつきで始まりますが、永遠には続かないものですよ」

タエコ「知ってる」

そういって、ヨモギは帰っていきました。そして季節は廻り、少しずつ夏の足音が近づいているようで…

感想

めがねに関しては、空気感というか雰囲気を楽しむ作品だと思いますので、何が起こるのかというのは、知ってから見てもなんら問題ないように感じる…そんな映画でした。

どうしても「かもめ食堂」と比べてしまうのが良くないですね。「めがね」は前半の空気感があまり心地よくはなくて、全体を通していい空気感だった「かもめ食堂」よりは少し劣るような…という感想は否めないです。

それでも南国ならではの緩い感じとか、湿度のようなものを感じることができてよかったと思います。

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かもめ食堂の方でも「ぼーっとする」ができない、という描写がありましたが、「めがね」はそこにフォーカスをあわせているようでした。ぼーっとするって難しいですよね…つい、あれこれやってしまう。ぼーっとする。読書もスマホも触らないで、日がな一日…私耐えられるだろうか?なんて思ってしまう当たり、現代人なのかもなんて思ったり。

あとタイトルが「めがね」ですが、主要キャラクター達はみんな眼鏡をかけているようで。最初は眼鏡=もたいまさこさんなのかな、なんて思っていたら、皆かけていてびっくり。誰のことをさしているの…???と思ってしまいましたが、きっと誰でもいいんだろうなぁと途中で気がつきました。それくらいゆるいんです。

はてさて、次は何を見ましょうかねぇ