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シンプリストになりたいのです

映画・ マイ・インターン の感想

「亀の甲より 年の功」という言葉があります。年長者の方には長年の経験で積み重ねた知恵や技術があって、そういった豊かさの称賛する言葉 だと私は考えています。

似たような言葉だと「おばあちゃんの知恵袋」でしょうか。おばあちゃんがもっている健康や暮らしに関する知恵。それはきっと代々受け継がれてきたような知恵で、教えてもらえると まるで金平糖を1粒分けてもらえたようなそんな気持ちになるのです。

今回は『マイ・インターン』という映画をみました。感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

あらすじ

2015年、ニューヨーク。ベンは一人、ビデオカメラの前に座っていました。

彼は電話帳を制作する会社を退職し、悠々自適な生活をおくっていました。溜まっていたマイルで旅行してみたり、息子夫婦や孫に会いに行ってみたり。それはもちろん楽しい時間なのです。しかし妻には先立たれ、仕事もない。心の中にぽっかりと穴が開いてしまったような、そんな寂しさがあったのです。

そんなある日、65歳以上のシニアインターンを募集している求人広告を見つけます。応募方法は履歴書を送付…ではなく動画で自己PRを撮影し所定の方法でアップロードすること。70歳のベンもビデオカメラで撮影し、なんとか面接まで辿り着くことができました。ベンはいつもにこやかで、清潔で、おしゃれで、とても素晴らしい紳士ですから、面接でも好印象。最終的にインターンとして採用されたのは4人。ベンと、1人は若くフランクな男性 デイビス、あとの2人もシニアインターンでした。

ベンは現在急成長中の”About The Fit”というファッションに関係する会社に採用されました。ただ急成長中とあってCEOのジュールズはいつも大忙し。毎日、分刻みのスケジュールをこなさなければなりません。

また”About The Fit”では社員たちは随分とフラットです。オフィスは1フロアで、社長のジュールズすら個室はなく、誰とでも風通しよく対話することができます。またスーツである必要もなく、皆カジュアルな格好で仕事をこなしているようでした。

インターンの4人はそれぞれ仕事を振り分けられることになり、メールで確認することになりました。ただベンはノートパソコンの起動方法がわかりません。隣にいた若い社員が簡単な使い方を教えてくれました。そしてメールを開いてみると、ベンの仕事はCEOのジュールズの下で働くこと とありました。

ジュールズは最初、自分の下にシニアインターンが付くことに対して不満な様子でした。彼女はただでさえ忙しいのに、彼の面倒までみていられません。しかし他の社員の見本になるために…と副社長のキャメロンによって半ば無理矢理セッティングされたのでした。ジュールズは仕方なく、用があれば秘書のベッキーにメールをさせると言い、ベンとほとんど関わることはなかったのでした。

することのないベンは自ら動き出します。パソコンの使い方を教わったり、他の社員の仕事を手伝ったり。もともと素晴らしい紳士のベンは社員たちからの評判もよく、些細なことを相談されるようにもなりました。そしてジュールズが悩んでいることを察して、自ら動くことができるベンは次第にジュールズから信用されるようになったのでした。

そんなある日、ジュールズの運転手をしている男性と連絡が途絶えてしまいます。朝早くに連絡を受けたベンは彼女の送迎を引き受け、自宅まで迎えに行くのでした。ジュールズは夫と娘との3人で暮らしです。夫が専業主夫となり、家事や娘の面倒をみているようです。ジュールズはCEOとして若くして活躍しながら、家庭も両立している女性だったのです。しかしベンの些細な質問から、ジュールズは自分のプライベートにまで踏み込まれたように感じ、副社長のキャメロンにベンの配置転換を依頼するのでした。

その日の夜。遅くまで残業しているジュールズは、軽食をつまみながらふと社内を見渡します。残っているのは、彼女とベンだけだったようです。ベンはいつ、ジュールズから仕事を言い渡されてもいいように、彼女が帰宅するまでは会社で待っているのでした。ジュールズは1人での食事を寂しく感じ、ベンを誘います。そして2人は会話を深め、親しくなっていくのでした。

翌朝、昨日とは違いドリスというシニアインターンの女性がジュールズを迎えに来ました。ベンは昨日ジュールズが依頼したように異動になってしまい、新しく配属されたのがドリスだったのです。彼女の運転はそれはそれはひどいものでした。事故を起こさないために、ジュールズはドリスと運転を代わる羽目になってしまうのでした。

キャメロンに異動を依頼していたことすら忘れていたジュールズは、すぐさまベンを元に戻すようにお願いします。ベンに直接事情を話、謝罪すると、ベンは笑顔で戻ってきてくれたのです。そして、ベンはベッキーと同様、ジュールズの秘書として昇格したのでした。

しかし、ジュールズはたくさんの問題をかかえているようで・・・

感想

ベン役のロバート・デ・ニーロがひたすら可愛らしく、ジュールズ役のアン・ハサウェイがとにかく美しい映画でした。物語はほっこり心温まる感じ。以前みた『ホリデイ』と同じナンシー・マイヤーズが監督をしているということで、安心してみることができました。

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若い女性社長の下に、男性が部下として就く、しかも年齢もずっと年上の部下です。そういったテーマを取り上げつつ、様々なテーマが盛り込まれているように感じました。

今では専業主夫は珍しくありませんが、2015年当時だと まだそうではなかったのではないでしょうか。そして働くママに対する風当たりも、今よりきっと厳しいものだったことでしょう。周囲のママ友からの冷たい視線であったり、ジュールズが社会で活躍すればするほど家族の中で溝ができてしまう。仕事でだって無問題というわけにはいきません。もう、ジュールズはてんてこ舞いですよね。そういった しがらみをベンが優しく解きほぐしていく姿は、本当にほっこりしました。

とにかく、ロバート・デ・ニーロが最高にキュートでかっこいいんです。もう、彼のシーンだけでもいつまでもみていられます。笑顔でも困り顔でもキュートだし、紳士な振る舞いが最高にフィットしていて惚れてしまいそうでした。こういったお爺ちゃんがいたら、私もいろいろ相談しちゃうんだろうなぁ。

物語として、そこまで大きなイベントがあるわけではないのですけれど、テンポもよく、起承転結がきれいにまとまっているので退屈することなくみることができました。ちゃんとハラハラするシーンがあったり、笑えるシーンがあったり。もちろん泣けるシーンもありました。ラストの夫のシーンは賛否ありそうですけれどね。

個人的には、ベンと仲良くなる若い男性社員たちもコミカルで可愛らしかったです。少しずつベンから学んでいって、ゆるいTシャツにパーカーだったのが こじゃれたワイシャツにネクタイに変わっていったり、クラシカルなトランクを使い始めたり…。映画ではハンカチが印象深いですが、ベンのようにシルクであったりのハンカチーフをさらっと使いこなしている方をみると、男女問わず素敵だなぁと思います。大人の嗜み的な。私はいつもタオルハンカチですが、シルクのハンカチとかチャレンジしてみようかな…なんて。

プラダを着た悪魔』とか『ホリデイ』が好きなら、きっと好きになってもらえる映画だと思います。良かった❀

よもやま話

小さい頃、母方の祖父母がよく温泉や公園に連れて行ってくれました。母曰く、連絡もなく いきなりやってきて、挨拶もそこらに子ども(私と妹)をどこかしらに連れていっていた、とのこと。母が休めるようにと思ったのか、初めての女孫である我が姉妹を構いたかったのか、はたまた その両方なのか。既に祖父は他界してしまったため分かりませんが、とにかく私は祖父が大好きでした。

そんな祖父は『必殺仕事人』などで有名な俳優の藤田まことさんに似ていたんです。もうちょっと薄目の顔立ちですけれど。周囲にはあまり理解されませんでしたが、サスペンスドラマなどで藤田さんを目にする度に、祖父に似ている!と画面に飛びついたものです。なつかしいなぁ。

映画をみて好々爺について思いを馳せていると、浮かぶのは祖父のことばかりでした。あ、全然紳士とかではなかったんですけれどね。家ではステテコ姿で煙草吹かしていましたし、幼稚園児くらいの頃にパチスロなんかに連れていかれてお金を入れる係をさせてもらったなぁ…とか。今となっては完全にNGですけれどね。

思えば 小さい頃にお祖父ちゃんっ子だったからか、割と高齢男性に気に入っていただけることの多い人生でした。なかには愛人にならないかと誘ってくる人や、娘のようだ…とストーキングしてくる怖い人もおられましたが…。接客業をしていると どうしてもね…そういうことはあるんです。

それでも良い方がたくさん おられて、広い世界をみてきた方のお話なんかは拝聴していると面白かったなぁ。私が知っている世界が狭く浅いからこそ、人生経験の豊富な方のお話というのはとても興味深かったです。

映画ではベンとジュールズは良き友人になりますが、そういう関係を年の離れた間で築き上げることができたら きっと素敵だろうな なんて思います。映画『メタモルフォーゼの縁側』みたいな関係とか最高じゃないですか。私も素敵なマダムと趣味の話で盛り上がりたい。一緒に紅茶とか飲んで、たわいのないお話がしたい、なんて。

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すてきなマダムとの出会いがありますように!