気が付けば好きになっていた。
なんだか恋愛小説みたいなお話ですけれど。ゴッホは私にとってそんな存在かもと最近思っています。昔から好きだったのかと聞かれるとそうではなくて、始めてゴッホを認識したのは中学生の美術の授業だったように思います。その授業の中で、ゴッホが自身の耳を切り落とした話や精神を病んでいたことを見聞きして、なんというか”おっかないな”と思ったんですよね。それがいつの間にか 展示会に行ったり、小説を読んだりする中で、”魅力的な人”になって、いつの間にか”好きな画家”になったのかな なんて思います。
気が付けばいろいろなところでゴッホに触れてきたようです。ゴッホの絵はお世辞にも上手とは言えません。ですが構図的なうまさとか緻密な描写とかを飛び越えて、とんでもない威圧感のようなものをひしひしと感じます。だからか目が離せなくて、とても疲れてしまうんです。ゴッホは好きだけど、1日3枚くらいがちょうどいいかななんて感じてしまいます。
そんな私ではありますが。展示会がやっていたらいってしまうんですよね。
- ゴッホと静物画展
- 陶器の鉢と洋ナシのある静物
- 野牡丹とばらのある静物画
- 青い花瓶にいけた花
- 皿と玉ねぎのある静物
- レモンの籠と瓶
- ヴィーナスのトルソ
- アイリス
- ゴーガン・バラと彫像のある静物
- イサーク・イスラエルス 籠の中の花
- まとめ
ゴッホと静物画展
17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れの中にゴッホが位置づけ、ゴッホが先人たちから何を学び、それをいかに自らの絵に反映させ、さらに次世代の画家にどのような影響を与えたのか…それらを探る展示内容です。ゴッホのひまわりはもちろん、アイリスなど様々な静物画が一堂に会します。
なんといってもこの展示、全69作品のうち、25点がゴッホです。もう、半分近くがゴッホです。ゴッホ、ゴッホ、ゴッホなんです。疲労感すごいんです。
そして前回お邪魔した、ブルターニュの光と風 展ではそこまでお客様の数は多くなかったのですが、今回は大勢のお客様がいらしていたようです。時間予約をしていったのですが、それではいっぱいでした。
今回も撮影可能だったいくつかの絵画を紹介したいと思います。
陶器の鉢と洋ナシのある静物
静物画ときくと、さっぱりとしている印象なのですが、ゴッホが描くとなんとも重々しい印象ですね。まるで「ジャガイモを食べる人々」くらいずっしりとした世界観。洋ナシもおいしそうとは言えないのですけれど、ひとつひとつに個性があって面白いです。
野牡丹とばらのある静物画
無知で恥ずかしい限りなのですが、まず思ったことが牡丹は日本以外にも咲いているんだ…ということ。海外にも咲いていることになんだかびっくり。
次にこれもゴッホなんだ…!ということ。華やかで、繊細で、どこか重々しくもありながら完成された印象にとてもびっくりしました。いやはや美しかったです。
青い花瓶にいけた花
こちらも華やかで美しいなと思った絵。ゴッホ自身はモデル代を払うことができなかったから花を多く描き、色や構図の勉強をした…というようなことを聞いたことがあります。だからこそ1つ1つの花がこんなにも存在感ある描き方ができるんでしょうか…。すごいです。
皿と玉ねぎのある静物
玉ねぎ。以前みた「レストランの内部」をどことなく思い出したこちらの1枚。かわいらしいと感じてしまうのはなぜなのでしょうか。
レモンの籠と瓶
こちらは名古屋で開催されていたゴッホ展でもお会いした絵画。まさかゴッホの展示で同じ絵を違う場所で見ることができるなんて…。いろいろ参加してみるものだなぁと思いました。
ヴィーナスのトルソ
個人的に1番印象に残ったのはこの「ヴィーナスのトルソ」でした。これともう1枚あったのですが、どちらもとても惹かれたんです。何故かはわからないのですけれど、目が離せなくなりました。
アイリス
今回の展示のメインともいえるアイリス。ひまわりと並んで展示されていました。ひまわりの凹凸ある大胆は絵とは全く違った手法でかかれた一枚。まるで日本画のように輪郭線がしっかりととられ、ぴったりと色が納まっていました。そう思ってみていると、アイリスの青が藍色に見えてくるから不思議ですね。
ゴーガン・バラと彫像のある静物
ゴッホ以外ももちろん素敵な絵画が勢ぞろいです。
夫が好きなゴーガン。花の透き通る感じがとても美しいです。瓶の光加減も好きです。
イサーク・イスラエルス 籠の中の花
新しく名前を覚えたイサーク・イスラエルス。もうめっちゃ好きなやつです。無造作に籠に飾られた花なのに、こんなにも美しいんですね。光を反射してキラキラと光っているようにも感じます。
まとめ
今回展示されていた中で撮影OKだったものをいくつか紹介してみましたが…。もう本当に紹介しきれないくらい素敵な絵画がたくさんでした。静物画と聞くとあまり盛り上がらないのかな…と思ってもいたのですが大間違いでした。どこみても楽しい…!
結構な来場者数でゆっくり見ることができず、またポストカードとかを買うことができなかったので、もう一回いこうかな…とか悩んでもいます。会期中に時間があれば…いきたい!