SIMPLE

シンプリストになりたいのです

染める

ミニマリストやシンプリストを意識して暮らすようになってから、物との付き合い方が大きく変化しました。

大量消費社会の現代。それに倣ってただただ買って捨ててを繰り返すという生活ではなく、1つ1つを長く愛して使いたいと思うようになりました。それは、大量消費社会によってもたらされた悲しい出来事を知ったことも大きいかもしれません。こちらで詳しくまとめています。↓

yu1-simplist.hatenablog.com

これから買うもの と 今あるもの

エシカルについて学んでいくと、私のなかで「これから買うものをどうするか」と「今あるものとどう向き合うか」という課題が生まれました。

「これから買うものをどうするか」は、これからの自分の行動を変えることで対応できます。生産者がみえる、透明性のある企業から購入するとか、食品ロスを出さないように無駄な食材を買わないとか、いろいろできることがあります。

しかし「今あるものは」どうでしょう。不要なものを手放して、随分と物は減りました。では残っているものは?どんなものでも、使えば消耗します。例え流行に流されない、ベーシックなものを選んでも、劣化を避けることはできません。ではどうすればよいのでしょう。

つかいつづけるために、手間でも染める。

今から2年ほど前のことです。GLEAN&CO.,Ltd.の2waybagを愛用していました。

gleanandcoltd.com

白地の布にピアノの五線譜が散りばめられたデザインで、持ち手の革の具合も入る分量もちょうど良く、お出かけのときはいつも使っていました。ある日、深紅のスカートを履いておでかけしたときのこと。おろしたてだったそのスカートは染料が安定していなかったようで、鞄のこすれば部分には赤い染料が付いてしまいました。もう、ショックでショックで…。

そこで思いついたのが、染料がついて汚れてしまったのであれば、更に濃い色の染料で染めてしまえばいいのでは?ということ。ネットで調べてみると自宅でも染めることができそうです。当時購入したのはDYLONの黒と色止剤。

染めるとこんな感じになりました。f:id:yu1-simplist:20230911223503j:image

上段の写真から白地に赤い汚れがぼんやりとついているのがわかると思います。下段が染めた後ですが、赤い汚れはよおおおおおーーーーーく見なければわかりません。漬け置きするような感じで染めるので、中身も黒く染まりました。持ち手部分は極力濡らさないようにしましたが、やはり難しく…最終的には、終わってからメンテナンス用のクリームを塗ることで対処しました。

そしてそして、2年経った現在はどうなっているのかといいますと、こんな感じです。
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染めた当時に比べると、少し色は落ちたように感じます。それがかえっていい感じに馴染んだように見えます。以前より五線譜が良くわかりますね。

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やはり染めるとなると多少手間ですし、時間と染料代などもかかります。それでも、染めたおかげで、いまもおでかけの日はこの鞄を使用できています。この鞄を使う度、見る度に愛着が深まっているように感じます。

リペアしつづけていくもの

染めるというのはあくまで一例です。使わなくなったタオルであれば、雑巾にする。膝部分が破れたのであれば、補修する。普段から汚れを落として、綺麗にしてあげる。それだけでも充分なリペアです。こんなふうに、長く使い続けていく方法は様々あります。

もちろんすべてのものに対してリペアをし続けるというのは現実的ではありません。けれど、自分が持てる数を厳選していけば、それをできる割合も多くなっていくのではないかと思います。かくいう私も、まだまだなんですけれどね。

つい先日、江戸時代の生活を調べていくなかで当時のリサイクル事情を知りました。服1枚でも、呉服屋で服を仕立てて、それが着れなくなったら古着屋に売る。古着屋に売られた服は新たな持ち手のもとで、補修されたり、サイズが合わなくなったら一度解かれ、子ども用に作り直されたり、布として最大限活用されます。そして最終的にどうにも布として使えなくなったら竈の火をつけるときに用いて、布は灰になります。灰になったら終わり、ではありません。当時は灰を買ってくれる専門の業者がいて、その灰も様々なことに活用されたようです。

さすがに現代の世の中で、ここまで活用していくというのは難しいですけれど、このなかでもできることってありますよね。補修したり、布として最後まで使うとか。そういった手間を選択していくゆとりを、これからの生活の中でも楽しんで良ければと思います。