SIMPLE

シンプリストになりたいのです

エシカルってなんだろう。

今日だからこそ伝えたいことがあるので、今回はそれについてちょっと深めにお話していきたいと思います。

エシカルとは

ethical(エシカル)という言葉をご存知でしょうか。

最近はSDGsが拡がった関係でエシカルというワードも耳にすることが多くなってきたように感じます。エシカルとは倫理的な・道徳的な などの意味をもつ言葉です。私の中の解釈としては「法律で決められているわけではないけれど、こうした方がいいと思っている物事」といったところでしょうか。

 

例えばプラスチックゴミについて。プラスチックは便利ですので、私も使っています。最近は紙の技術が発展してきて、紙包装も増えてきましたけれど、それでも物によってはやっぱりプラスチックやビニールの方が良い場面もあります。そこにエシカルな考え方をするのであれば、過剰包装をやめる とか 使いまわせるものは使いまわす とかが地球環境の面でみても 「ちょっといいこと」になりえますよね。

2020年の9月から無印用品の一部店舗で量り売りがスタートしたことはミニマリスト界隈では大きなニュースになりました。

www.ryohin-keikaku.jp

個包装ではありますが、自分が必要としている量を自分で選んで購入すること可能です。それにより、包装部分は減少しますし、フードロス解消にも効果があったのではないでしょうか。私はあまり無印良品で食品を買いませんので使用したことはないのですが、一度使ってみたいなと思っています。

他にも自分で詰めるボトルを販売したり、スターバックスコーヒーであれば タンブラーを持ち込みすると割引を受けることができますし、様々な 企業が環境問題を考慮した商品・対策をしています。

 

エシカルに興味をもったきっかけ

ミニマリストを目指すようになり、それまでスルーしていた物の品質・値段などに興味をもつようになりました。どうしてファストファッションが成り立つのでしょうか?どうして低価格のものがこんなにもあふれているのでしょうか?そういった疑問を持つようになったのです。そこで読んだのこちらので資料でした。

ファストファッションはなぜ安い?」著:伊藤和子

「990円のジーンズがつくられるのはなぜ?ファストファッションの工場で怒っていること」著:長田華子

 

まず、こちらの2冊は私たちの生活の中で流通しているファストファッションを中心に「なぜその価格が可能なのか?その裏側は?」についてかかれています。

それらに触れる前に、私の過去について少しふれたいと思います。今でこそ、シンプリストを目指して生活をしているため家中に物が溢れているということはありません。しかし私はもともと汚部屋で生活していた人間だったのです。特に大学生のころがひどかったのですが「服は数を持っていなければいけない、そうでなければお洒落にはなれない」という強迫観念のようなものがありました。お金に余裕はないのにたくさんの服をもっていなければならない、そのためとにかく安い服をたくさん買わなければ!と思っていました。しかし、オリジナリティを求めるあまり着回しのきかない服が多く、いつしか大量の服があるのに着る物がないという状況に陥っていたのです。

現在、それらの殆どは処分され、服の数は随分と減りました。そしてふと思ったのです。あれほど持っていたファストファッションの服の殆どが処分の対象だったのです。何故でしょうか。

これは安かろう悪かろうの話ではありません。現在でもユニクロの服は持っていますし、高価な服ばかりが残っているわけでもないのです。残す基準はお気に入りかどうかです。そしてそれらは、きちんと自分の意思でえらび購入した服でした。

ではなぜ、ファストファッションの服の殆どがお気に入りにはならなかったのでしょうか。逆説的に考えると、きちんと自分の意思でえらばなかった服だからでしょうか。処分された服たちはどのようにして購入したかを思い出しました。大量にあふれる服たちの中からデザインと値段をみて大丈夫そうであれば買い物カゴにポイポイと入れ、レジをすませていました。試着することも、自宅に今ある服と合うかを考えることもなく…です。さらに、まぁプチプラだし多少失敗してもいいやくらいの気持ちでいました。そんな購入方法ですから実際袖を通してみれば、思っていたイメージと違うということがよくありました。そして結局は箪笥の肥やしになるのです。安物買いの銭失いとはよくいったものです。

今では前もってどういった服を買うか検討しますし、お店で試着もします。今でもユニクロやGUなどのファストファッションの洋服は持っていますし、日常使いしています。しかし、きちんと手順を追って買うようにしています。

yu1-simplist.hatenablog.com

↑現在の私のクローゼットはこんな感じです。

 

そんなわけで新たに衣類を購入する際は、いろいろと考えるようになりました。そしてやっと本題に戻ります。

私は大学卒業後鞄屋でショップ店員として6年程勤めました。そのため、流通や商品の販売に関する簡単なことは存じ上げています。だからこそ、目の前に売られている「990円のジーンズ」はとんでもない恐怖でもありました。店の売り上げ、メーカーの売り上げ、材料費、輸送費、廃棄するための費用、そして制作するための人件費…いったいどうなっているの?と。

現実は私が思っていた以上に凄惨でした。児童労働や劣悪な環境での長時間労働。労働者たちは低賃金で馬車馬のごとく働かされるというのに、それにたいする保障はなにもされていない…そんなことがまかり通ってしまっていたのです。そして、その上に私たちが喜ぶ「安い!」が成り立っているのです。それなのに私はその服たちをろくに使うこともなく無駄にしてしまったのです。

なにも考えることもなく生きていてはいけない。そう、思いました。それがエシカルに興味をもったきっかけなのです。

 

4月24日 ファッション・レボリューション・デー

4月24日が何の日かご存知でしょうか。「ファッション・レボリューション・デー」として国際的に記念日としてひろまりつつあります。

これは南アジア バングラディッシュで起こった凄惨な事件がきっかけでした。2013年4月24日、ラナプラザというビルが倒壊したのです。犠牲者の多くは生き埋めとなりその数は1130人、救助された数は2500人以上。その多くは、低賃金で働かされていた女性や子どもたちだったのです。

このビルは地震や突然の事故が原因で倒壊したわけではありません。もともと5階建てとして建築された建物を無理矢理8階まで増築していたようです。事件前日から建物にヒビが入っていることが確認されていました。当然、従業員たちからの不安の声は上がったそうです。しかし、雇用主たちは目先の利益を優先し、もしくは上からの納期の圧に押されたのか、彼女たちに労働を強いたのです。

「なら行かなければ良かったじゃない」と考える方もおられるでしょう。それは我々が恵まれた日本という国にいるからそう思うのかもしれません。彼女たちが雇用主に許可なく休むということはすなわち解雇です。そして、彼女たちはその日を生きていく為に、その日の家族を養うために、労働をしているのです。解雇されれば家族が路頭に迷うかもしれないのです。そして命を失った、もしくは生涯のこる傷をおってしまったのです。

そんな職場で何が作られていたのか、それが世界的に有名なファストファッションだったのです。倒壊したビルからは私たちが知っているブランドのタグやラベルが発見されたそうです。それだけでなく、そのブランドの多くが彼女たちへの賠償をしていないという問題もあります。当然、賠償に応じたブランドもあります。しかし応じないブランドたちは あくまで下請けが勝手に依頼した場所がラナプラザビルだけであっただけで、自分達が強制労働をさせていたわけではないのだから関係ない。問題があるのは下請けだ…という主張だそうです。

私たちが喜ぶ「安い!」の背景にはどういったものがあるのでしょうか。今、着ている服の裏側ではこういったことが起きているのかもしれません。そういう現実を私たちは少しだけでもいいので考えなければならないのです。今日4月24日 ファッション・レボリューション・デーは二度とこのような事件が起きないようにするためにはどうすればいいか?を考えるための日なのです。

 

私たちにできるエシカルって何だろう

では、実際どうすればいいのでしょうか。

そこで紹介したいのが3冊目「服を10年買わないって決めてみました」著:どいかや

絵本作家として有名な どいかやさんは、たくさんの服に囲まれて生活されていました。そんな中で衣類がどこからきて どこへいくのかという現実を知ります。そして、これからは買うのではなく、これらを遣い尽くせないだろうか?と考えたそうです。そういった試みから始まった本書。もちろん完全に買わないというわけではなく、靴下や下着などの消耗品は購入してよいとルールを設けました。その上で、スカートやトップス、そういったものを買わずに今ある服をつかい、リメイクして…そして10年間を過ごされたそうです。

この本でどいかやさんが伝えたかったことは「服を買ってはいけない」ということでは決してありません。「何を買うか考えよう」ということが重要なのです。服を買う時に、これは適正価格なのか?この材料は地球に悪影響がないのか?そういったことに目を向けてほしいとありました。それこそがエシカルなのです。

 

「はじめてのエシカル」著:末吉里花

エシカルとは倫理的な・道徳的なといった意味をもつ言葉です。その商品は倫理的な商品でしょうか?制作にかかわった方に対等な対価が支払われていますか?地球環境に配慮した方法で素材が生産され、製造され、輸送されていますか?またそういった背景を知るための透明性はありますか?本書はそういったことを1歩止まって考えてみようという本です。

そんなに難しいことではないのです。例えば無印良品オーガニックコットン。3年以上農薬や化学肥料を使っていない土壌で栽培された綿でなければオーガニックコットンとは名乗れません。「健康への影響や地球環境への負荷に配慮してものづくりをする」という考えから様々な取り組みをしてきたようです。そういった商品を考えて選ぶ、それもエシカルですよね。そしてちょっと調べてみる、それだけでも充分エシカルなんです。

www.muji.com

 

「もったいない」は「エシカル」かもしれない?

もったいないっていう言葉、よく耳にしますよね。私も夫が電気をつけっぱなしにしていたり、水を無駄に使用していると「もったいないからやめなさい」といってしまいます。実はこの「もったいない」が世界共通言語ってご存知でしたか?一時期世界各国の方が「MOTTAINAI」という合言葉を繋げていくTVCMがあったようにも記憶しています。

www.mottainai.info

日本にはこのもったいない精神が染みついている国ですよね。着なくなった服でも「もったいない」と捨てられないというのは、あるあるです。「もったいない」と思うのであれば、ゴミにせず誰かに譲渡したり販売したり(Reduce)、自分で染色してみたり雑巾として活用したり(Reuse)、古布の資源回収に出したり(Recycle)。我々にはできることがたくさんあるのです。

 

フェアトレード

私が今、興味をもっていることの1つに「フェアトレード」というものがあります。エシカルにつくられた商品をそれに見合った価格で購入しましょうという取り組みです。コーヒーや紅茶、チョコレートなどの商品があるようです。大手スーパーなどで購入することが可能とのことで、見つけたら購入してみたいなと思っています。

ちなみに「道の駅」で購入するのもいいですよね。地産地消って立派なエシカルです。道の駅で、環境に優しい農法を実践されている農家の方から野菜を買う。素敵なことです。野菜や果物にはポストハーベスト(防カビなど)やフードマイレージ(輸送コスト)が極力少ないものを選ぶというだけでもエシカルだと思います。

 

ボイコットとバイコット

こういうお話をするとついつい目が行ってしまうのが「ボイコット」。所謂 不買運動です。もちろん、そういったものを購入しないことで、さらなる生産をさせない ということも大切だと思います。環境に配慮していないものは買わない とか、きちんと労働賃金を払わない衣類メーカーの服は買わない とか。ですが、私たちは 自給自足で全てを賄うことは大変難しいです。もちろんそういう生活を志して、実践している方は素晴らしいと思います。でも、そうでない方も多いと思います。少なくとも私には無理です。

ですのでそういった方はぜひ「バイコット」という形で参加してみていただきたいと思います。買って応援したり、意思表示するのです。フェアトレードの商品を購入することで、商品の向こう側にいる方に正当な賃金が払われるだけではありません。そういった商品が多く買われるということは、売り手側もそういった商品を広めようとするはずです。そうなれば、いままで参入できていなかったジャンルにもフェアトレードの考えが拡がっていくのだと思います。

 

最後に

これまでの人生、マキシマリスト→ミニマリスト→シンプリストとライフスタイルは大きく変化してきました。自分の中では日々 よりよくなっているのではないかと思っています。マキシマリストの頃は自分中心の身勝手な生活をしていました。そしてミニマリストになり、エシカルな考えに興味をもち、実践を始めました。シンプリストとなった今、それをさらに深めていくことができれば嬉しいです。

 

生まれて10年は自分のことを

次の10年は家族のことを

二十歳になってから10年は生まれた くに のことを

30代では日本のことを

40代では世界のことを考えなさい。

 

子どもの頃にみた大河ドラマ新選組!」で佐久馬象山がいっていたセリフです。今と幕末では人生の時間間隔は違いますので、このままというわけではありませんが、この通りどんどんと視野を拡げていきたいものです。

 

今日この 4/24 というこの日に考えるきっかけになれば幸いです。

 

さて、今あなたが着ているその服は誰がつくったものですか?