SIMPLE

シンプリストになりたいのです

映画・赤と白とロイヤルブルー

毎日、綺麗なドレスや着物を着て、美味しいお菓子とお茶をいただいて、庭に出れば季節の美しい花々が咲いていて、お屋敷には豪勢なお部屋がいくつもあって、装飾もこれでもかというくらいこだわられた…そんな暮らし。王族貴族やお姫様の暮らしには憧れはしますけれど、じゃあ本当にそういった身分になりたいのかと言われると答えはNO!です。大統領夫人になりたいとも思いませんし、アラブの石油王の妻になりたいとも思いません。

実際のそういった方々の華やかで煌びやかな面だけみれば、とんでもなく憧れるものではあります。けれど、実際は自分の好きな職につくことも、自分の好きな人と交際することも制限される。自分が結婚したい人を国民が認めるかもわからない、常にパパラッチに追われ、自由なんてまるでない生活。

私は我儘なので、美味しいところだけ体験したい。綺麗なドレスや着物も、美味しいお菓子やお茶も、全部好きな時だけでいいのです。たまに だからこそ、それらの美しさが際立つのかもしれませんし。

今回は話題になっている「赤と白とロイヤルブルー」を拝見したので、ネタバレ交えて感想を綴っていきたいと思います。

赤と白とロイヤルブルー あらすじ

アメリカ大統領の息子とイギリス王子の恋の行方を描いたロマンティックコメディ。

アメリカ初の女性大統領の息子アレックスとイギリスのヘンリー王子は、ともに端正なルックスとカリスマ性を兼ね揃え国際的な人気を集めていたが、お互いのことを軽蔑し合っていた。

ある日、王室行事での2人の口論がタブロイド誌で大きく報じられ、米英関係に亀裂が入りそうになってしまう。事態の修復を図る関係者たちは2人を強制的に仲直りさせ、やがて両者の間には思わぬ友情が芽生えはじめる。

 (映画ドットコムより引用) 

eiga.com

感想

私は今までそんなに商業BLを読んできたわけではないので、こういってしまっては語弊があるかもしれないのですけれど一番最初に「THE BL、これど王道!」と感じました。そう、BLってこうよね。こうであってほしいよね、と。

ただ、実際に見てみると、そういった同性愛に対するお話だけではなく、将来のなりたかったものになれないこと、自分のことを国民全員が知っているということ、だからこそ自分がゲイであるとばれてはいけないこと…そういったロイヤルファミリーだからこその悩み。ステレオタイプを演じなければならない悩み、それぞれの産まれについての思い、セクシャリティの問題など様々な要素が盛り込まれた作品でした。

令和ならではだな…と思ったのが、綺麗にハッピーエンドなんですよね。こうありたいよね、こうなったらいいよね、と。英国の首相が黒人女性であること、アレックスの母親は女性初の大統領であることから、活躍する女性の姿を。自分のセクシャリティな問題のカミングアウトに対して動揺せずに、ありのまま受け入れ尊重する家族がいること。国民がレインボーフラッグで歓迎してくれること。それぞれの鍵を抑えつつも、綺麗にまとめるところが最近らしい作品だと思いました。ただ今はどのくらい達成できているのだろうか、と考えて少し悲しくもなりました。

アレックスとヘンリーについて

作品のこまごまとしたところは置いておきまして。主人公であるアレックス(米大統領の息子)とヘンリー(イギリス王子)について。いあぁああ2人とも顔が素晴らしく良い。

まずアレックス。褐色の肌とカールを帯びた黒い髪。やや細身の立ち姿は飄々としつつも艶があります。何より、少し垂れ目がちの目とその長い睫毛が堪らなく色気を帯びていて、瞬きするだけでときめく…。もうどのシーンも総じて顔がいい。

対して、ヘンリーの端正な顔立ちに、スラッとしつつも芯のある立ち姿。白いしっとりとした肌と揺れるブロンドが、まさにロイヤルファミリーの風格を感じさせます。凛とした顔もいいけれど、ふとした瞬間にでる破顔した笑顔が最高にギャップ萌えです。

そんな顔がいい2人が楽しそうにいちゃいちゃしている姿はもう眼福と言わざるを得ません。少々性的描写はありますが、個人的にはそこまで濃厚というわけではないと感じましたので、きゃっきゃと喜びながらみました。

こういったライトにみて楽しむ部分というのもとても充実していて、2時間飽きることなく楽しむことができました。もう本当に2人がかわいいので、BL大丈夫な方は是非見てほしいです。

他のキャラクターもいい

メインの2人もさることながら、脇を固めるキャラクターもまたいいのです。アレックスの両親も、ザハラ、ノーラ、ヘンリーの妹…。もちろん、全員が味方!というわけではありませんけれど、それでも極悪人はいないように感じました。シークレットサービスの女性もユーモラスで好きです。

個人的に推したいのはノーラ。レイチェル・ヒルソンさんという女性が演じていらっしゃるのですけれど、もう、本当にキュートなんです。もうどこをとっても愛らしくて、かわいい…。そして何より、自立した女性といったオーラを感じました。自分に自信があって、優しくて、可愛い…こんな女性に憧れます!

まとめ

ライトにみても楽しい、そして一歩踏み込んでみても楽しい。特権階級とか労働者階級とか、そういった知識のない私でも、なんとなくの空気からここは注目すべき点なんだなというのが解りやすい作品でした。

こうなったらいいなという希望が詰め込まれていましたし、本当にラストが当たり前の社会になるといいなとも思います。そういった点でもみていて幸せな気分に包まれる作品だと思います。個人的にオススメなのはピザのシーンと美術館のシーン。これは見てのお楽しみにしておいてください。

原作小説があるそうで、そちらの方では個人の悩みがより深く言及されているそう。そちらも面白そうですね。本屋さんで出会えたら検討してみようと思います❀