手間は手間でも、いい手間と余計な手間ってあると思っています。余計な手間というものは省けるだけ省いていきたいですけれど、いい手間は残していきたいです。
例えば、「出汁をとる」という作業は人によっては「時間の無駄」「顆粒で充分」と言われてしまいそうですけれど、昆布や豆、鰹などから出汁をとるとまた違った優しい美味しさがあります。どちらが正解という話ではなくて、顆粒出汁を使って時短する方法も好ければ、出汁をとるという手間を楽しむことも好いのではないかと思うのです。
箸置きのあれこれ
自分の中では細やかな手間であり、楽しみとなっているものが箸置きです。
箸置きはそもそも箸をテーブルに置く際、箸先がテーブルにつかないようにするためのものです。ですからまぁお皿の上に橋渡しするように置いてしまえば、箸先でテーブルを汚してしまうことはありません。食事のマナーとしてこの方法は「渡し箸」といってNG行為です。ですが、外出先であればまだしも、自宅で自分一人で食事をする際は、気にせずやってしまうもの。さらに洗い物の手間も考えると、箸置きは必ずしも必要なものというわけではないのです。
そもそも箸置きは神様への食物が汚れてしまわないために使われていた神事のための道具だと聞いたことがあります。それを平安時代頃に天皇や貴族が真似るようになり、我々一般市民が真似るようになったのは昭和の頃だとか。そう考えると、箸置きはまだまだ最近できた文化なのですね。
それなのにどうして私は箸置きを使うという手間を惜しまないのか。
これはとある日の食事。箸置きがあるだけで、適当を極めた作り置きメニューである鶏そぼろ丼+永谷園のお吸い物が、きちんとして見えます。食事は適当だというのに!よくONとOFFを切り替えるとか言いますけれど、「きちんと お食事を始めますよ」という自分へのサインがこの箸置きを使うということなのかもしれませんね。カップ麺のときや、適当につまむときは渡し箸で済ませてしまいますから…。
さらに夫がいるときは箸置きにプラスしてランチョンマットが付きます。ランチョンマットを洗う手間もありますし、ミニマリスト的に考えるとなくていい物です。けれど、仕事から帰宅して夕食を摂る。それがスイッチの切り替えのようになればいいと私は思っています。そのスイッチが少しでも綺麗な方が、見栄えが良い方が、私はテンションがあがります。(夫がどうかはしりません)
そんなわけで我が家では箸置きという手間を楽しんでいるわけですね。
我が家の箸置き
折角なので、我が家の箸置きコレクションを紹介したいと思います。
白山陶器 鳩の箸置き
ぽってりとしたデザインと青みを帯びた白が涼やかな鳩の箸置きです。鶏肉や卵を使った料理の日は、こちらの箸置きを使います。何度見ても可愛い…!
安曇野土産 鯛焼きの箸置き
安曇野にしかないわけではないのですけれど、母が安曇野土産に購入してきてくれた鯛焼きを模した箸置き。表面がざらざらとしていて、鯛焼き感がでています。またお腹の部分に少しだけ餡子が出ているのが、カワイイポイントですね。
魚料理の日はこちらの箸置きを使用します。
安曇野土産 うさぎの箸置き
これまた母からの安曇野土産でもらった箸置き。本当は黒と白の2つあるのですけれど、白うさぎは耳が欠けてしまい現在修理中です。
うさぎの箸置きは気分で使っていますが、お肉料理の際に使うことが多いです。
大阪 なんばパークスで購入 桜の箸置き
一目惚れして購入してしまった桜の箸置き。春の時期や、ハレの日の食事は勿論、季節問わず和食メインの料理の際に使用します。
出雲の白うさぎの箸置き
旅行土産って悩みますよね。特に自分用のお土産。何か買って帰りたいけれど、物はあまり増やしたくないし、置物とかはちょっと…という方にお勧めなのが、箸置き。そのご当地ならではのデザインの箸置きなんて素敵なお土産だと思いませんか?
出雲さんにお参りに行った際に購入したものです。白うさぎですけれど、鮫を煽ってはいませんし、皮ももがれていませんので大丈夫です。こちらも白山陶器のときと同様ぽってりとした質感がかわいいです。
こちらも肉料理の際に使用することが多いです。
ひたち海浜公園 ネモフィラの箸置き
食欲を減退させる色として有名な青ですが、お構いなしに購入したネモフィラの箸置き。カワイイは正義ですから、問題ありません。夫と箸置きの中からすきなものを選んでお土産として購入しました。
こちらも桜同様、季節にこだわらず使用しています。洋風なお食事の際に使用することが多いですね。あと野菜がメインのお食事に。
箸置きこぼれ話
現在6種類の箸置きをその日の気分で使用しています。その日の食事の色合いや、メインディッシュ、季節…判断基準はその日それぞれです。直感で今日はこれだなと決めるのも楽しかったりします。
なにより箸置きを使うことで食事が一気に食事らしくなるので、とてもありがたいです。あながち見栄えって適当にできないものなのかも。
これからもこういったささやかな手間を楽しんで、生活していけたらなぁと思います。