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シンプリストになりたいのです

暦にきく

本日、6/21は二十四節季の1つである夏至ですね。1年の中で最も太陽の南中高度が高くなり、日の出から日の入りまでの時間が長くなる日です。…とはいえ、何か特別なことをする日というわけではなくて「夏至かぁ、夏が本格的に始まるんだな」くらいの感覚です。

太陽神であらせられる天照大御神様がおられるお伊勢さんでは夏至祭が行われるそうです。なにぶん混みあいますのでこの時期にいったことはありませんけれど、機会があればまたお伊勢さんもお邪魔したいな。

調べてみたところ、大阪近郊では夏至に蛸を食べるという風習もあるそうな。関西出身でしたが存じ上げませんでした。その土地ごとに様々な風習があるのでしょう。そういったものに、もう少しきちんと触れてこればと今は思います。

夏の始まりと聞いて思い出すのが青山美智子さんの「月曜日の抹茶カフェ」という小説。

川沿いの桜並木のそばに佇む1件の喫茶店「マーブル・カフェ」。マーブル・カフェの定休日である月曜日にたった一度だけ開かれた「抹茶カフェ」。そこで振る舞われた一杯の抹茶から始まる、東京-京都を繋いだ12か月の物語。

 

この「マーブル・カフェ」を舞台にした「木曜日にはココアを」の続編のような小説ですね。ヒトとヒトとのご縁がつながっていって、ぐるっと1つのリースのような円になる、そんな物語です。

この作中に「夏越の祓」というものが出てきたのです。京都の伝統和菓子「水無月」を食べて悪魔祓いをするという行事ですね。和菓子をあまり口にすることがなかったので、そういった風習があるということも存じ上げませんでした。

「夏越の祓と言いましてな、昔のお公家さんは六月の終わりに氷を口に含んで暑気払いしたはったんですわ。これから来る夏のしんどさに立ち向かおうと、気合を入れたんやろな。そやけど、当時は氷なんてえらい高級品やったから、とても庶民には食べられしまへんやろ。せやから、白いういろうを三角に切って、氷に見立てたんどす」

(作中より引用)

そしてこれがその水無月です。

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先ほどの引用にもある通り、三角形の形は氷の欠片を表現していて、上に小豆が乗っているのは悪魔祓いの意味があるそうです。1年の折り返し地点である6/30にいただき、邪気を払ってから夏を乗り越え、残りの半年を無事乗り越えれるようにお祈りする和菓子なんだそう。

ですので今日はまだ6/21で少し早いということになりますが、夏至ですからね!夏はこれからですから。というわけで、水無月を買ってきたわけでございます。f:id:yu1-simplist:20230621121214j:image

本来はういろうですけれど、私が購入したお店では葛餅を使用していてもっちりとした食感になっています。お上品な甘さで、渋めのお茶が欲しくなりますね。

こうした季節に意味を持った和菓子を生活に取り入れていきたいと思ったのが昨年の春。水無月もいただくのも2回目となりました。こうして残ってきた伝統を、これからも続けていければと思います。

どんどんと夏が近づいてきていますが、夏の準備といえば扇風機を出して、厚手の布団を収納したくらい。あとセーターが虫食いされないように専用の袋にいれて収納しましたね。それくらいでしょうか。我が家は大きくかわることはありませんが、そんな生活の中でも季節の移り変わりに耳を傾けられる私でいたいものです。