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シンプリストになりたいのです

映画・Julie&Julia

今まで観てきた映画の中で一番好きな映画はなに?って聞かれたら、私は「プラダを着た悪魔」と答えるでしょう。それくらいには好きな映画です。人生のなかでここ数年だけでもそれなりの数の映画を観てきたし、これからも観ていくつもりでいますけれど、きっとこれからも変わらないと思います。

以前 とある心無い方に「あぁ女の子って好きだよねぇ、衣装とか可愛いしきらびやかな世界憧れる~とかでしょ」と言われたことがあります。内心「この人、映画の何を観たのかしらん?」状態でございました。

もちろんキャスト、衣装やアクセサリーなどの美しさに心奪われるというのもあります。しかし「プラダを着た悪魔」の面白さはもうアバンタイトルから凄まじい勢いでやってくる情報量、いかにアンディ(アンハサウェイ)が 彼女が呼ぶところのコツコツ族とは違うのか…という生きているステージの対比からわかる鮮烈なキャラクターと物語の舞台の紹介。そして音楽と映像のテンポで一気にひきこまれる世界観。一区切りしたところで圧倒的な存在感をもって登場するメリル・ストリープ演じるミランダ。彼女の美しく研ぎ澄まされ洗練された、あのボルドー色に染まったベルベットのような、あの姿!!!彼女の見せる完璧な立ち居振る舞い、仕事への価値観、冷酷無慈悲に見える彼女が微かに見せた脆さ(その脆さすら一般人である私にはすごすぎるのですけれど…)のギャップ。「プラダを着た悪魔」は、アンディの成長、そして女帝として君臨するミランダの生き様、そういったところが面白いと思う私です。もちろん映画の楽しみ方は人それぞれですよ。

そんなわけで私は「プラダを着た悪魔」をきっかけにメリル・ストリープに心奪われた次第であります。…とはいえ、出演作をまだあまり観ることができておりませんで、ゆっくり観ていきたいと思っておりますよ。今回みた「ジュリー&ジュリア」についてネタバレ交えて綴っていこうと思います。

実在の料理研究家ジュリア・チャイルドと、ジュリアに憧れる現代のOLジュリー。50年の時を隔てた2人の女性を描いた人間ドラマ。

食べることが大好きなパリ在住のアメリカ人ジュリアは、名門料理学校で習得した誰でも簡単に作れる家庭料理の本を出版し、本は大ベストセラーとなる。

50年後のニューヨーク、作家になる夢をあきらめたジュリアは、憧れのジュリアのレシピに挑戦し、それら全てをブログに綴ることを思いつく。

(映画ドットコム参照)

eiga.com

この料理研究家ジュリアをメリル・ストリープが演じられるということで拝見したのですが、とても幸せな気持ちになる映画でした❀

1949年、ジュリアが夫とパリに越してきたシーンから始まります。クラシックカーに揺られ、優しい夫とにこやかに、まるでベルサイユ宮殿のような家。とても幸せそうに見えます。暇を持て余し、帽子作りの教室に行ってみるも合わず、ゆで卵のつくり方から教えてくれる料理教室にいくも合わず。そこでプロの養成教室に男性に紛れて加入することに。そしてひょんなことから自身も料理教室をはじめ、また仲間と料理本を出版することを目標とするようになります。

対して2002年のジュリー。何もない古いアパートの一室。1階はピザ屋で騒音問題にも悩まされそうな部屋に引っ越してきたジュリーと夫と猫。共通しているのは、優しい夫がいること。小説家になることを諦めた彼女の仕事は南マンハッタン再開発公社での電話対応。友人たちはどんどんと出世して、副社長に昇任したり、本をだしたり…。そんなある日、友人のBLOGについての会話から、自身もブログを初めてみようということになります。内容はジュリアの本に掲載されている524レシピものレシピを1年間で再現するというチャレンジブログ。

…とまぁこんな感じのストーリー。お料理映画ですけれど、飯テロ的な要素は殆どなく、どちらかというと「レシピ」の方に重きが置かれている映画でした。観ていると料理がしたくなるようなそんな作品です。今まで観てきたメリル・ストリープの中で一番大きく演技をされているように感じます。明るく、誰からも愛されるジュリアの姿がとても印象的でした。美しいなぁ…。

ジュリーが自身のブログについて「実際誰も私を知らないわ。巨大な空間にただ書き綴っている気分」という台詞をいうのですけれど、同じようにブログをしている人間としては胸に刺さると言いますか、わかるわぁと頷いてしまいました。私がブログを描き続けているのは、自身のアウトプットのため。誰かの称賛ではなく、自身のためです。それでもたまに「こんなことをしても何の役にも立たないのに」と思ってしまうことがあります。それでも続けてみようと思っています。

あと、生きているロブスターを自分で処理するシーンは衝撃的でした。「ロブスターキラー」という幻聴すら聞こえるジュリー。基本、我々が食料を購入するときってだいたい、食材であって命は途絶えていることが多いわけで…自分でその命を終わらせるというシーンはやはり、考えてしまうものがあります。どちらも同じ命なんですけれどね。

私も普段料理をしますが実は料理本って持っていません。基本ネットで調べて、レシピサイトかレシピ動画を観て作ることが多いです。実家にはありましたけれど、ちゃんと向き合ったことはなくて。一度基礎からやってみるのもいいかもしれませんね。ジュリーの何かを1年かけてやりとげていく姿はうらやましくもあります。私も何かをやりとげてみたいな。

とりあえず、今日の夕飯をつくってこようと思います。

 

ボナペティ!