SIMPLE

シンプリストになりたいのです

髪をきるのをやめてみた

31cm。何の数字かご存知でしょうか?

【31cm】

ヘアドネーションをするために最低限必要な髪の長さ。

 

【ヘアドネーション

切った髪を寄付すること

寄付された髪の毛から作ったウィッグを何らかの理由で髪に悩みを持つ子どもたちに無償で提供する活動のこと

まだ幼いころです。母は私の髪を常に短く切り揃える人でした。それはまるで男の子のようで、セーラームーンであったり髪の長いヒロインに憧れていた私にとって、短い髪というのはコンプレックスのようなものでした。嫌で嫌でたまらなかったのです。そして小学校高学年の頃からは反動のように髪を伸ばすようになりました。大人になるとさらに髪型が自由になり、腰のあたりまでの長さの頃もありました。基本的には毎回自分の中でMAXまで伸ばしたら、バッサリと肩のあたりまで切ります。それを今まで何度も繰り返してきたのです。

長い髪が切り落とされた床をみているとなんともいえない不思議な気持ちになりました。なぜかもったいないような気持にもなるのです。髪をきるたびに、これでカツラでも作れればいいのにと思うこともありました。

そんななか、数年前 ヘアドネーションのことを知ったのです。たしかニュース番組で取り上げられていたのをみたのだったか…はたまた。とにかく、髪を寄付することができることを知らなかった私は、そうなのか!ととても驚いたことだけは覚えています。しかし、その当時はただただ知識は通り過ぎてしまいました。

それからしばらくして。ミニマリストとして行動していると、その物の品質、コスパなどに意識に意識がいくようになりました。プチプラの服は何故やすいのだろうか。チョコレートってどうして100円で買えるのだろうか。そんなことを調べているうちに、SDGsやボランティアに関しても興味をもつようになったのです。しかしながら、それらの行動にうつすには金銭的、時間的余裕がありませんでした。たくさんの本に「寄付をしよう」という文言をみるたびに、できない自分が不甲斐なく、情けない気持ちになったのでした。

私にできることってなにだろう?できれば、日常の延長でできることから始めたい。そんな風にかんがえるようになりました。そこで思い出したのが、ヘアドネーションだったのです。

そんなわけで2021年の春頃。髪を伸ばすために髪をきることに決めました。折角なら綺麗にのばした髪を寄付したい。そして肩にかからないボブヘアまで、バッサリと切ったのでした。それからかれこれ2年ほど途中数回毛先を整えるためにヘアサロンで髪をきりました。現在は前に垂らした状態で、胸の下あたりまでの長さに。来年くらいには寄付するのに充分な長さになるだろうと思っています。

2021年の暮れ頃に、この「31cm」という本を読みました。ヘアドネーションについて様々な立場から語られる本です。それは肯定的な意見だけでなく、否定的な意見もきちんと載せられていました。

この本を通して伝えられていることは「必ずしもウィッグを必要としない社会」が理想であるということ。本当はつけなくても誰も気にしない、意識しない社会がベストなのかもしれません。しかし現状現実はそうではありません。チラとでも視線が集まってしまう世の中なのだそうです。それならば、矛盾しているかもしれないけれど、必要としている方(本書ではレシピエントとあります)に届ける必要があるのです。さらに、こういったヘアドネーションという活動が拡がれは、ウィッグをする・しないという選択自体ももっと自由になるはず、そう考えられているそうです。

 

先にも述べましたが、私は「なにか自分でもできることがしたい」という動機でヘアドネーションに興味を持ちました。要は自分主体なのです。なのであえて今回は相手側、それを必要とする側の方々については深く触れないでいようと思います。私は今、自分がしたいから、したいようにしているのです。

とりあえずの目標は31cmですが、その長さだとSサイズとかなり短めのものになるそうです。折角なら長めの方がいいかな、なんて思っています。伸ばせるだけ伸ばしてみようかなって。目指せ50cmなんて。

 

そんなわけで髪をきることを一時的にやめているというお話です。前髪は今でも切っているので、全く切っていないというわけではないのですけれど。ドライヤーに時間がかかったり、椿オイルをつけてヘアケアをするなど手間もかかるわけですが、いつかもらってくれる誰かのために、少しでも綺麗にのばしていきます。

もしヘアドネーションに興味を持つ人が1人でも触れてくれれば、私も少しは役にたてたかな