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シンプリストになりたいのです

梅仕事のすすめ

夫と連れ立って近所のスーパーで買い物をしていた2022年初6月某日のお話。梅仕事に関連するが店頭にいくつも並び、二人で「もうそんな季節か」などと話しておりました。

実は2022年9月末、2021年7月、2020年6月とここ3年間、お引越し続きだった私。しかも2020・2021年は6・7月の引越しでしたので梅の時期にはとんでもなくバタバタしていた時期でした。梅仕事を意識する余裕はなかったのです。しかし昨年は引越しすらまだ決まっていない時期でしたので、日々はゆったりと進んでいて、そういったことに対しても興味を持つ余裕がありました。

ふと、梅仕事って憧れるよねという話になりました。丁寧な暮らしをしてらっしゃる方々が毎年梅の時期になると梅干しや梅酒をつけて、それを数年かけて楽しむ。素敵だなぁって憧れていたんです。しかし、私は小さいころから梅干しが食べることができませんし、梅酒は飲めますがお酒はやめています。梅酒を仕込んでも誰も飲まないのであれば意味のないことです。それに夫が家で飲むのはビールか檸檬チューハイ。梅酒を飲んでいるのを見たことがありませんでしたから、好きではないのだろうと勝手に解釈していました。

「あったら飲むで、むしろ好きやで」

そんな返事が返ってきたのですから吃驚です。夫とは当時で3年程の付き合いですが、話題に出ないとしらないことはまだまだあるのだろうなと思った次第です。

そんなわけで、昨年の6月中頃。人生で初めての梅仕事に挑戦いたしました。

材料がこちら。梅、果実酒、氷砂糖。折角梅仕事をするのであれば私も楽しみたいではありませんか。そんなわけで夫用に梅酒を、自分用に梅シロップをつくることにしました。

まず、梅を綺麗にします。付着物をつまようじで落として…

あく抜き。梅酒ではだいたい5時間くらい水に浸けるそうな。途中で何度か水をかえます。

ボールの中で梅に傷がつかないように、優しく水洗いします。そして1つ1つ丁寧にキッチンペーパーで拭きましょう。煮沸消毒しておいた瓶に、梅酒はそのまま氷砂糖と酒と梅を入れ、梅シロップは少々たたいてへこませたものを氷砂糖とつけます。梅酒は冷暗所で半年~1年ほどねかします。梅シロップは1ヵ月ほどでいただくことが可能です。

そしてまず梅シロップがこちら。昨年の夏の盛り、とても暑い時期に梅シロップを炭酸で割って飲みましたがとてもフルーティーで美味でした。これは今年も作りたいと思います。
そしてついに、半年が経過いたしました。梅酒です。
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随分と良い色になりました。昨年の記録によると、購入した梅に色むらがあったため、1瓶に青梅を集め 氷砂糖+酒のみに。もう1瓶は黄色い梅を集め 氷砂糖+酒+はちみつを入れてまったりとした味になるようにしたようです。

写真ですと右側が氷砂糖+酒のみの梅酒。左側のすこし赤みがある方が氷砂糖+酒+はちみつのようです。香りをかいでみると、ややはちみつ入りの方がマイルドで甘みのある香りでした。

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上からの写真だと、色味の違いがわかりやすいと思います。上段がはちみつ入りです。

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折角ですので私も1口ずつ試飲してみることに。右が酒+氷砂糖のみで、左がはちみつ入りです。ちなみに御猪口は奈良県にある酒造 春鹿さんでご試飲した際にいただいたもの。全色コンプしています。かわいいでしょう。

そして肝心のお味ですが。どちらもまだアルコール度数がしっかりしていて、お酒が鼻にぬけていくような感覚がありました。そのなかで梅のフルーティーな香りと風味があり、美味しいではないかと自画自賛を。はちみつ入りの方がやはりマイルドで甘みが強い感じでしたので、私ははちみつ入りの方が飲みやすいかもしれません。少しだけ原液で、残りは炭酸水を入れて美味しく頂きました。夫も一緒に試飲いたしましたが、気に入ったようです。我が家には常に炭酸水を常備していますので、これで炭酸割りなども作ることができます。…これはお酒代がさらに浮くのでは…???なんて、こっそりと思っています。

 

そういえば、昨年 梅仕事を終えて少しした頃に海街ダイアリーという映画を観たんです。梅仕事をしている際に、以前ちらっと金曜ロードショーなどで観た際に梅酒を飲んでいるシーンを見かけたなぁって思い出して、気になっていたんですね。全部きちんと観たいなとは思っていたんですけど、是枝監督の作品だから観ると辛くなるかもしれないし、どうしようか…なんて思ってずっと観ていなかったんです。それを、梅仕事をきっかけに重い腰を上げて観たんです。

 

この映画では長女役が綾瀬はるかさん、次女役が長澤まさみさん、三女役が夏帆さん。三姉妹の父親は随分前に別で女性を作り失踪。母親も外で別の家庭をもうけ、長女が高校生の頃に家をでていました。残された鎌倉にある一軒家で暮らす三人はある日、父親が他界したことを知り葬儀に参加することになります。そこで母親違いの妹すず と出会い、4人での暮らしが始めるというのがお話の冒頭です。

全体的に重苦しいところは一切なく、比較的安穏と暮らしが続いていきます。しっとりと、でも爽やかな作品でした。海街diary、たしかにとある日常でした。

4人が暮らす家の庭には梅の木があります。毎年そこになった梅で梅酒を仕込んでいるのだそうです。梅酒の味を染み込ませるために梅に竹串をさす楽しそうなシーンがとても印象的でした。昨年はしりませんでしたので、今年はチャレンジしたいです。こうして年々、ブラッシュアップしていけるといいなと思います。

梅酒も近くのスーパーにいけばいくらでも購入が可能です。それらを購入しても大して場所をとりませんし手間もありません。お金を払うだけですから。反して梅酒はというと、年間通してそこに存在し続けます。場所をとる子たちです。梅の手入れも手間のかかるものです。それでもこうして、梅仕事をすることで、憧れに近づけたような、QOLが上がったようなそんな気持ちになれているのですから、昨年仕込んでよかったなぁとしみじみしています。残りの梅酒を飲むのは夫に託すとして、また初夏になれば梅仕事を頑張ろうと、今から楽しみです。

それにしても、鎌倉久々にいきたいものですね。