SIMPLE

シンプリストになりたいのです

お酒をやめてみた

お酒をやめてかれこれ2年半経ちました。最後にお酒を飲んだのは2020.7.24。それ以来、お酒を飲むということを あえてしていません。

お恥ずかしながらお酒による失敗をしてしまったのが原因です。最後にお酒をいただいたとき、私は香川に旅行中でした。当時はGo To キャンペーンとかもあって、コロナ禍の中ではありつつも、旅行ができた時期でした。折角の遠出旅行。昼はうどんをいただき、夜はご当地ならではの食材がいただける居酒屋へいき、それはもう食べて飲んででした。そう、それらを全て無駄にしたのです。そして宿泊先のホテルの便器を抱えつつ思ったのです。同行者も当然いい気持ではないだろうし、私としても折角いただいた食材やらを無駄にした、お酒が入ってさらに調子に乗ってしまったということもあるでしょう。楽しい旅行だったのに全てを台無しにしてしまったような気がする…と。

そしてさらに考えました。そもそも私はどうしてお酒を飲んでいるのだろう?と。お酒が好きか?と聞かれれば「別に」ですし、お酒の場が好きか?と聞かれても「別に」なのです。それなのになぜ飲んでいるのでしょう? 私は苦いものが苦手ですからビールは飲めないし、わざわざこれなら大丈夫というものを探してまで、何故飲んでいるのでしょう?

場の空気というのもありました。みんなが飲んでいるからという、あの独特の「とりあえずビールで」的なアレです。あとはもう見栄でしかなかったのです。お酒が飲める自分が大人になったような感覚になって、それに浸っていたのかもしれません。量が飲める自分はすごいと思いたかったのかもしれません。あぁなんという黒歴史

そして最終的に気が付いてしまったのです。私、本当はお酒が好きじゃない と。しかし、惰性で飲み続けてしまっているのだなと。

 

今でこそソバーキュリアスという言葉が通じる世の中になってきていますが、当時ではまだそうではありませんでした。

ソバーキュリアスとは、お酒を飲める人があえて飲まない、もしくは少量しか飲まないという選択のことを言います。またそういった選択をしている人々のことをソバキュリアンと呼ぶこともあります。

nonalcohol.co.jp

↑興味のある方はこちら。とても分かりやすく解説されています。

 

そして、その夜決めたのです。もう好きでもないお酒は飲まないと。酒に溺れるのはやめようと。

そして早2年半。今も飲酒をすることはありません。夫は休日とその前日に飲酒をしますが、当然私は飲みません。外食時でも頂くことはありません。そんな生活を続けていたからか、つい先日、味見のために1口お酒を口にしたら案の定酔いました。そして煮詰める湯気でも酔いそうになったのです。そうか、飲まないと弱くなるのか…。ある意味良い兆しのようにも感じました。

 

ちなみにいただいたのはこちら。

akadama SWEET WINE

所謂赤玉ポート。ビーフシチューを作るのに赤ワインが必要になり近所のスーパーで購入。アルコール度数は高い方ですが、味わいは葡萄ジュースのような感覚でぐびぐび飲めてしまうので注意が必要な一本。何よりお安い。なので煮込み料理にぴったりなのです。

赤玉ポートといえば、森見登美彦作品ですよね。

夜は短し歩けよ乙女で、黒髪の乙女が飲み明かしていく姿は可憐で、まるで宝石を含んでいく姿は艶やかですらありました。その中で赤玉ポートをペロリと数本開けてしまう描写が印象的だったのです。私が赤玉ポートを飲むきっかけも、電気ブランをいただくようになったきっかけもこの小説でした。

今気が付きましたが、思い返してみればこういう お酒に関するいい思い出もあるのですね。

別段、いつまで飲まないと決めているわけではありません。これから生涯を通して飲まない!と思ってしまえば、それはもう「禁酒」状態であってストレスフルになるでしょう。それはあまり本意ではありません。自然と距離ができた、それくらいでいたいと思います。

 

お酒から離れて みてよかったと思うことをいくつか紹介します。

・出費が減る

当然ですが飲まないものを買うことはありません。居酒屋でもソフトバンク(お酒より少し安い)で済むし、ソフトバンクをそんなガバガバと飲むこともありません。そんなわけでお酒をやめると、お酒代に費やしていた金額がグンと減ります。

実際、我が家では夫が週2~3本、夕食時に飲んでいます。毎日飲むのであれば格安ビールや格安チューハイにします。しかし週にたった2~3本くらいであれば プレモルであったりCOEDOというちょっと良いビールを選ぶことも可能になってきます。これで少しは夫のQOLは上がっているといいのですが。

 

・健康になる

昨年の6月まで健康診断を受けていましたが、今のところ特に問題はありません。元々それほどダメージがあったわけではないのですが、それでもやはり飲酒した次の日の自分の顔を見ると驚愕するものがありました。きっと飲酒するとしょっぱいものが食べたくなるのはお判りいただけるでしょう…。そのせいでパンパンに浮腫んだ顔に、曲がりづらさすら感じる指。飲酒を日常的に続けていると、夜中にお手洗いにいく為に起きたりと睡眠が浅くなるので肌もあれるし、メンタルにも良くない。なんなら風呂やらスキンケアやらも適当にして寝てしまうことすら。肌荒れまっしぐらですね。

それとおさらばしたことへの解放感たるや。当然、普段の生活でも塩分をとることもありますがそこまで浮腫むことはないです。ましてや二日酔いで朝から洗面所で不快感を覚えることもありません。

 

・その場を楽しむことができる

逆じゃない?と思われるかもしれません。本音トークはお酒が入らないとできないでしょう?という方もおられるかもしれません。いやいや、私の場合はそうではないのです。お酒が入ると思考力は低下して「阿呆な自分」しか露呈していないのです。普段の自分であれば、もう少し(霞程度でも)論理的に思考できるものが、お酒が入ればそうもいかなくなるのです。一時タガが外れたかのように砕けることはできるかもしれません。しかしそれを後から後悔する飲み会の何が楽しいことか。行くまでも「今回は飲み過ぎて馬鹿なことをしないようにしなきゃ」なんて思いながらいくことが楽しいでしょうか。

最初から飲まないと決めていれば、そういったことに煩わされることもありません。相手が酔っぱらっていく姿を素面で眺めるのも、それはそれで楽しいものです。相手がお酒を飲まない場合でも、こちらが少し深い話をしたければ、こちらから振ってみればいいのです。お酒がなくても関係性さえあれば、その辺りは問題にならないかと思います。酒の勢いで失敗することもなく、その場を素面で楽しむことができるのです。

 

・食べることを楽しめる

お酒を飲みながら食事をすると味覚が濃い物を欲してしまって薄味が楽しめなくなるように感じるのは私だけでしょうか。詳しい体内のことは解りませんが、濃い=美味いになるような感じ。味覚が鈍くなるようにも思います。

旅先でご当地のお酒を飲むのが楽しいというのも素敵です。夫もそういう人です。しかしながら適度に飲まなければそれ以外の食材にも申し訳ないことを忘れないでほしいのです。「食事を楽しめる範囲の飲酒」を心掛けてほしいもの。

 

ざっとこんな感じでしょうか。今のところデメリットというデメリットは感じていません。断固飲まない!という姿勢ではないので、周りから干渉されることもありませんし。だいたいは下戸なんです~で解決しています。

ちなみにどうやって辞めたかですが、大したことは実はしていないです。あえて言うのであれば、自分と約束することくらい。あとは失敗を思い出すこと。あんな失敗をしたよね、それでもまだ好きでもないお酒を飲みたい?と考えているうちに惰性で飲むことはまずなくなりました。

お酒が好き!という方が無理に、お酒を辞める必要はないと思うので、「お酒好きなのに!」と思うなら我が道をいけばいいでしょう。医者に言われたのであればそれに従った方法が一番だと思います。

ただ何となく、今までの自分を鑑みて「お酒減らしてみたいんだよな」と思うのであれば、まず「お酒を飲む必要性を自問自答する」、次に「ベストワンのお酒を決める」のをおススメします。そのお酒は今、あなたにとって本当に必要なお酒でしょうか。頑張った自分へのご褒美に週に1本お酒を飲むとか、〇〇の企画が成功したら飲むとか必要性を考えいましょう。また、お酒なら何でも好きです!というわけではなく、お酒なら赤玉ポートが好きです!と決めてしまうのも手です。どちらも必ず必要性を考慮すること。ですから毎晩飲むのが定例だからとか惰性で続けるようなものはNG。自身で考え必要性があるのであれば飲めばいいし、そうでないのであればひかえる。飲みたいときは赤玉ポートだけを飲む。そうすれば、飲む量は減るでしょう。それからは自分と相談して、量を制限したりだと思います。どんなに意思が強くても惰性になっているものは辞めることが難しいと思います。それをする必要性を自分で納得することが重要かと思います。

ちなみにこの方法は私が小説を買う時に自問自答する方法です。無制限に増える書籍…これは本当に買う必要がある?この作家さんは集めよう。これは図書館でいいかな、とか。今のところこれでギリギリ間に合っているはず…。

 

私は別段「お酒なんてやめてしまえ」というつもりは毛頭ありません。飲みたいなら飲めばいいですし、飲みたくないなら飲まなければいい。それだけのことです。

お酒をやめる・やめないの選択肢はあなたにあるのですよ と、ココさえ伝われば幸いです。