SIMPLE

シンプリストになりたいのです

金継ぎのすすめ

やってしまった…。気を付けていたのにやってしまった。

洗い物をしているときに落としてしまってレンゲがぽっきり、箸置きであるウサギの方はいつ折れたのかも不明。耳の端はどこにいってしまったのでしょうか。箸置きは母からシロウサギ、クロウサギのペアのものをお土産にもらって日替わりでつかっていたのに…ショックです…。

 

ということで、久々に金継ぎをしようと思います。実は以前にも金継ぎはしたことがあり、道具は揃っているのです。それに義父の遺品を整理していたところ全く使われた形跡のない金継ぎセットが発見されたそうな。置いておいても使うあてはないそうなので、金粉などの素材をいただきました。今回はまず、なぜわざわざ金継ぎを?のお話をしようかと思います。

 

まずこちらが前回金継ぎをおこなった信楽焼のコップたち。画面手前の盛大に割れているのが母の、奥にあるのが私のコップです。私の方は口をつけるあたりに小さく欠けがはいっているのがわかるでしょうか。地震で揺れた際に欠けてしまったらしいです。どうしようかと暫くの間 考えていたところ、次は母が自分のコップを棚に収納しようとして手を滑って割ってしまったようで。愛着をもっていたコップが割れてしまうのはやはりショックですよね。ちょうどその頃に金継ぎについて知る機会があり 自分の中でタイムリーだったというか、もうこれはお告げなのでは?ということで、Amazonで金継ぎキットを3000円ほどで購入しました。

 

そして完成したのがこんな感じ。

淵の欠けが良い感じに修復できています。

母のコップもこんな感じで修復ができました。

こうして金継ぎをしてみるとさらに愛着が湧くもので、今でも私はマイコップを使用しているし、これからも使い続けていこうと思っています。

 

この話を知り合いのミニマリストの方にして「非効率的じゃない?」と言われたことがあります。自分でも「ですよねー」と思います。金継ぎには労力も金銭(材料費)も時間もかかります。くっつけて漆を塗って…とするのに数週間かかりますから、とんでもなく非効率的ではあるのです。効率を考えるのであれば、無印良品などで量産されている商品を購入し、壊れたら処分し、また同じ商品を買い直せばいいです。それは充分に理解しています。

この辺りでも「なんか私、ミニマリスト向いてないな?」と思うに至ったきっかけなのですよね。今ある食器を維持するために、+1で金継ぎセットというものが増やし、時間も労力も費やす…これはもう必要最低限ではないわけで…。

それが解っててどうしてそうしないの?と言われてしまいそうではあるのですが。お気に入りの食器たちを手放したくはないのっ!!これに尽きるのです。

 

職場の方や知人からミニマリストのイメージをお聞きする機会が何度かありましたが、だいたいは「物を捨てまくる人やろ?」とかえってくるのです。少し違う…!ミニマリストは必要最低限のものは残すし、むしろ最低限を残すからこそお気に入りを残します。そしてミニマリストであろうと、シンプリストであろうと物に執着・愛着がないわけではないのです。物によってはお気に入りの逸品だからと、長く愛して使いたいと思う方もいるし、勿論効率を重視してリセールのあるものか 壊れてもすぐに代用がきく物しか持たない主義の方もおられます。私は当然前者で、物事に対しては効率よりもどれだけ愛せるかの方が重要なのです。

愛用しているものだからこそ、多少手間でも修理してあげたいし、メンテナンスをしてあげたい。そんなわけで家中の欠けた皿などを一斉にまとめて金継ぎしていこうと思います。また金継ぎが完成したらご報告します。

ちなみに…誰かの大切なお皿やコップで割れてしまったけど捨てられずにいる…とかがあれば金継ぎをお手伝いしたいな なんて思っています。頻繁に練習はできないし、素人の範囲なのだけれど。もちろん、材料費もかかるので無償ではできないけれど、そういう活動ってエシカルでいいなぁと思うんです。