少し前まではミニマリストを目指していたので、趣味のものはサブスクに移行したり、電子に置き換えたりと様々な方法を駆使して、随分と手放しました。特に映像系に関しては結構手厳しく手放して、舞台関係のDVDと本当に繰り返し見たいと思える作品だけを手元に残しています。
アニメ関係で手元に残しているDVDは1種類だけ。それが『モノノ怪』です。
2006年のノイタミナ枠で放送されていた「怪-ayakashi-」シリーズの「化猫」、そしてそこから派生した2007年のアニメシリーズ。謎多き薬売りさんがさまざまな怪異と対峙していく姿を描く物語で、和製ホラーでありつつ、哀しくも美しい絵画のような作品です。
もう何度もみていて内容も把握しているのに、これだけはどうしても手放せません。サブスクにもあるんですけれど、これはもう宝物なんですよね。
そんなモノノ怪シリーズが、なんと10年以上の年月を越えて銀幕に舞い戻ってきまして。7月末に公開され、8月中にみにいく予定がズレにズレてやっていけました❀いつも通り、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。
あらすじ
”女の園”、大奥。そこは将軍以外の男子は決して入ることは許されない場所。将軍の血を絶やさないために設けられたその場所は、重要な官僚機構の場でもありました。
ある日、新人女中としてアサとカメという美しい少女たちが大奥へとやってきました。そしてとある儀式に参加させられます。そこでは、自分が1番大切にしているものを井戸に投げ捨てなければならないのでした。
アサは仕事を覚えるのも早く、また器量のよい上昇志向のある少女でした。打って変わってカメは大奥に夢を求め、好奇心旺盛ではあるものの何事も容量が良いとは言えません。着任早々仕事を任され個室を与えられたアサと、失敗ばかりのカメには少しずつ距離ができていきます。
大奥は数日後に控えた、大餅曳(おおもちひき)のため女中たちは忙しなく動き回っています。大餅曳とは、天子様と正室の子の安産祈願のために行われる行事です。本来であれば子が生まれる前に行われるはずが、何かしらのトラブルがあったのかようで生まれたあとに執り行われることになったのです。そして延期されることになったのと同時期の2か月前、一人の女中が姿を消していたのでした。
大奥に少しずつ”何か”が迫り、そしてある悲劇が起こるのでした…。
感想
約90分、全く退屈することがないくらいギュッと情報が詰まっていました。アニメ『モノノ怪』はどちらかと言うと ゆったりと共に謎を解きながら、感情をのせていくような感覚でしたが、劇場版はとにかく魅了される。そんな感じでした。映像美、音響、どれも迫力があってすごかったですね。
大奥の壁紙や襖に細かく絵が描かれていて、きっとそこにも意味があるのだろうなぁと思いつつ、それを考えていたら置いていかれてしまいますので、それはDVDを購入してからゆっくりと行いたいと思います。
何より悔やまれるのが、映画館に眼鏡を忘れていってしまったこと…！！！普段裸眼で生活しているのですが、映画館や美術館など何かを”観る”ときには眼鏡をかけるようにしています。その眼鏡をですね…忘れちゃったんです。なので細かいところが拾えなくて。『モノノ怪』は1回みて理解できるとは思っていません。複数回みて、自分で考察して楽しむ作品ですので、そういった媒体になることを楽しみにしています。
エンドロールの3本の柱
エンドロールでは神殿のようなものの周りをひたすら周遊し続けると言う、乗り物酔いしやすい人間には辛い映像が続きます。もうひたすら回り続けるので三半規管が悲鳴を上げそうでした。しかしながらこれもきっと何かのメッセージだ…！読み取りたい！と言うことで、がんばって見ましたとも。
神殿を囲うように3本の柱がたっています。その柱から紐(注連縄？)のようなものが神殿にかかるようにつながっています。1本の紐は切れてしまっているようで、地面に落ちてしまっています。そしてその柱をよく見ると、1本には唐傘をもった鬼のような絵が、もう1本には赤い衣をきた鬼が描かれています。また紐が切れてしまっているのは、唐傘の絵が描かれた柱でした。
映画のラストで第二章『火鼠』に続くとありました。ということは、唐傘の柱は今回上映され封印が解かれた『モノノ怪 唐傘』。そして赤い衣を着た鬼が描かれた柱が『火鼠』を表すようです。ただもう1本の柱が何を表しているのか…までは読み解くことができませんでした。しかし少なくとも3作は映画が続くという解釈でいいのか…！と意気揚々と帰宅したのでございます。
実は私、モノノ怪だけはネタバレなしでみたいと思っていたので、全情報をシャットダウンしていたのですね。X(旧Twitter)もモノノ怪のアカウントはみないようにしていたし、それ以外の情報も遮断していたんです。
そしたらなんと、『劇場版モノノ怪』は3部作という発表がされているというではありませんか！これはもう、帰宅してから一人狂喜乱舞です。2025年3月に公開予定とのことで。今から楽しみですねぇ。謎もいくつか残っているよな…と思っていたので、その辺りがどう解決されるのか、はたまた有耶無耶になるのか(どっちでも良い。)
まぁ、とりあえず次は延期に延期とならないと良いな…！
神谷さん
薬売りさんって1人きりだと思っていたんですけれど、実はそうじゃないらしいのです。退魔の剣が64本あるという設定にもびっくりですが、剣と同じ数だけ同時に存在できるってさらにびっくりです。
劇場版の薬売りさんと、アニメ版の薬売りさんで若干性格やふるまいが異なるなぁ…と思っていたのですが、そういうことか。別個体なのなら納得ですね。
訳あって劇場版とアニメ版では薬売りさんのキャストが異なります。理由についてはここでは触れませんが、神谷浩史さんが演じられる薬売りさんも良きでした！どっちも好きですねぇ❀3部作ということで、次回作ではまた薬売りさんのお声は変わるのか、はたまた神谷さんが続投されるのか。個人的には先代か神谷さんが、このまま薬売りさんに命を吹き込んでほしいものです。
よもやま話
現在、公開中作品ということで内容の深いところまでは綴りませんでしたが、映画を観た後の語り合いたい！という感情が久々にマックスになりました。いつ以来だろう…と考えてみたところ『シンゴジラ』や『シンウルトラマン』、『シン・エヴァ』以来かもしれません。庵野監督も語り合いたくなりますが、それ以来の感動か…自分でも納得です。
ちなみに唐傘の小説版も手に入れたので、またゆっくり読みながら映画では読み取れなかった部分を読み取りつつ楽しみたいと思います❀
(書籍ばかり増えていく…)
