SIMPLE

シンプリストになりたいのです

大河 新選組!を見る①

若かりし頃に、るろうに剣心斎藤一さんに魅了されたことをきっかけに新選組に興味をもった私。しかしながら、深く調べるというわけではなく、本当に娯楽的に新選組を見ていたように思います。そんな自分に、それで新選組が好きと言えるのか…?という疑問もありつつ、この年齢になりました。

以前 新選組について綴った際に、「大河 新選組!をコンプリートしたい!」といったことを綴りました。

yu1-simplist.hatenablog.com

会津旅行に行くまでに、新選組がどうして会津に流れ着いたのかを知っておきたいと思ったんです。しかしながらなかなか見る方法がなく、後に後に…と引き延ばしていたのですけれど、ついに夫がDVDを借りてきてくれまして。全49話…1日4~8話のペースで1ヶ月以内に無事見終えることができました。

何回かにわけて、「大河 新選組!」について綴っていきたいと思います。まずは1~12話、主人公である近藤勇新選組を立ち上げるより前、まだ江戸にいた若かりし頃の物語について綴りたいと思います。

1.黒船が来た

1854年(嘉永7年)1月。ひょんなことから近藤勇土方歳三は、佐久間象山桂小五郎坂本龍馬の3人と黒船を見に行くことに。彼らは、それまで260年もの間、安定していた時代が黒船をきっかけに変わろうとしていることを知ります。

黒船までの道中、佐久間象山近藤勇土方歳三に説きます。

佐久間「人は生まれてから最初の十年は、己のことだけ考えればいい。そして次の十年は、家族のことを考える。二十歳になってからの十年は生まれたくにのことを考える。そして三十になったら日本のことを考え、四十になったら世界のことを考える。鬼瓦(近藤)、くにはどこだ?」

近藤「生まれは武蔵国 多摩郡です」

佐久間「よし、今はその多摩の田舎のことだけ考えればよろしい。ただし十年後 日本のことを考えねばならなくなったときに正しい判断ができるよう、今から勉強しておくのだ」

この台詞は大河放映当時に見て、それからも強く印象に残っていた教えです。結局私は忘れて実践できなかったけれど、素敵な言葉だなぁと思いました。

そして、実際に黒船を目にした一行。坂本龍馬は興味津々で、近藤・土方は黒船からフラッグを盗み目にものを見せようと近くにあった船をだします。しかし、砲台の音に驚愕し立ちつくす2人。結局は手も足も出ませんでした。

そして近藤・土方は海辺に捨てられていたゴミの中なら、初めて見たワインのコルクをみつけ餞別として持ち帰るのでした。

佐久間「日本はこれから2つにわかれる。闇雲に異国の文物を受け入れようとする者。日本という殻に閉じ篭る者。しかし我らがなすべきは、第三の道だ。

すなわち、すみやかに開国し、異国の知識を貪欲に吸収し、国力を蓄え、諸外国と互角に渡り合えるようになった後にあらためて喧嘩をうる。これがまことの攘夷だ」

ここでいう”闇雲に異国の文物を受け入れようとする者”がすなわち、坂本龍馬。そして”日本という殻に閉じ篭る者”というのが、近藤・土方のことを、あらわしているのだと思います。彼らの行く末は既にわかっているからこそ、この言葉は重いですね。

2.多摩の誇りとは

1857年10月。近藤は沖田総司の姉 みつと、多摩へ出稽古にでかけることに。そこで土方と再会します。

多摩では盗賊が横行しているようで、盗賊を退治し、滝本家の蔵の荷物を非難させるまでのあいだ、荷物を守るように頼まれます。滝本家の長男 捨助が雇ってきた助っ人の長倉新八を交え、近藤、土方、みつは滝本家を守ることになりました。

しかし、近藤にはある問題がありました。彼はまだ、人を斬ったことがないのです。

近藤「正直にお話します。実を言うと私たちは人を斬ったことがありません」

そして盗賊に対しても、剣で立ち向かうのではなく木刀で立ち向かい、できればこらしめるだけで終わりたいのだと言います。当然、土方や永倉は反対しますが、近藤は聞き入れませんでした。

盗賊がやってきて、捨助が銃で威嚇しようとしますが、失敗してしまします。しかも盗賊に気付かれてしまい、土方が殺されそうになってしましました。そこで、近藤は無我夢中で盗賊を斬り捨てたのでした。

近藤「落ちないもんだな、血のにおいってやつは。侍にさえならなければ、人を斬ることもなかった。あの賊はまだ生きてる」

土方「俺は死んでたぜ。いいのか、俺は死んでも。俺が死んでも、あいつが生きていればお前は苦しまねえのか。侍になれた男が、侍になったことを後悔してる。侍になれない俺にしてみれば、こんなに腹の立つことはない」

近藤も土方ももともとは農家の生まれです。近藤も天然理心流剣術道場・試衛館に入門し、そこで養子となり、武士の家系にはいりました。そのため、近藤は周りからは「剣をならったところで、百姓は百姓だ」と疎まれています。当然、土方も侍にはなれません。

自分の生まれによって、生きる道が決められてしまう。なりたいものになれないという現状に2人は歯がゆい思いをするのでした。

3.母は家出する

近藤勇坂本龍馬たちとの、これから日本はどうなるのかという会話に花を咲かせる最中、養父の周助がやってきます。なんでも、勇の縁談を勝手に進めていたことで、養母のふでと大喧嘩をしたというのです。そしてふでは、家を出て行ってしまうのでした。

勇たちはふでを説得しますが、ふでは勇に対して複雑な思いがありました。まるで恨みでもあるかのようで、素直に勇を受け入れることができないのです。

一方、土方は薬の行商をしていました。そこで相棒のおじいさんと詐欺まがいな道場やぶりをしていることが、相手にばれてしまい、道場の面々にこてんぱんにやられてしまいました。

土方は試衛館にいる近藤の元へ行き、武士になりたい、強くなりたいと言います。

近藤「ようやくわかったんだよ歳(土方)。俺たちは所詮、多摩の百姓だ」

土方「そんなことぁねぇ。お前は立派な武士だ」

近藤「違う、俺たちは多摩で生まれたら死ぬまで多摩の百姓なんだよ。それがこの世の中だ。俺は だから決めたんだ。俺は武士よりも武士らしくなってみせる。日本一武士の心をもった百姓になってみせる。お前、そんなに強くなりたいか?」

土方「ああ」

近藤「侍にはなれないぞ」

土方「侍らしくはなれんだろ」

こうして、土方は試衛館の食客として迎え入れられるのでした。

4.天地ひっくり返る

近藤勇は稽古代の集金に、とある門下生の家を訊ねます。そこで山口一(斎藤一)という男性と出会います。山口も彼から借金の取り立てに来ていたのでした。

近藤と山口は門下生に連れられ、小さな小料理屋にやってきました。そこで、もう1日だけ借金の返済を待ってほしいと告げられます。山口は反対しますが、料理屋の主人をしていた芹沢にもう少し待つように諭され、2人はいったん引き下がるのでした。

その頃、試衛館には山南敬助という男性が近藤をたずねてやってきていました。土方や沖田総司は彼を道場破りと思い、門下生で一番腕の立つ沖田が山南に迎え撃ちますが、沖田は山南に一本取られてしまいます。山南は道場破りに来たのではなかったため、勘違いということで事なきを得たのでした。

翌日、天地がひっくり返るような事件が起きます。開国派の井伊直弼が暗殺されてしましまったのです。そして、稽古代の集金に行った門下生も、暗殺に加わっていたのでした。

山南「これで日本は変わります。歴史が動き出す瞬間に、我々は今立ちあっているんです」

近藤「こんなことがあっていいんでしょうか」

山南「我々と歳の変わらぬ一介の浪人が身を犠牲にして歴史を動かした。あの雪の上に転がっているのは何も格別の人間じゃない。我々と同じ、名もなき侍なんです」

この桜田門外の変によって、さらに日本は大きく動きだしてしまったのでした。

5.婚礼の日に

近藤勇武家の娘である つね を嫁に迎え、祝言をあげることになりました。両家の親戚のほかに、周囲の道場主たちを招待しましたが、体調不良だなんだと理由をつけて欠席ばかり。そんななか桂小五郎だけは、近藤を祝いにやってきたのでした。

ただ近藤は、今の自分はこんなことをしていいのか?という葛藤のなかにいました。桜田門外の変があり、日本は大きく動こうとしている。なのに自分はのんきに祝言をあげていてよいのだろうか…。しかしだからと言って、自分が何をすればいいのかもわからない。まるで暗中模索のようです。

源さん「所帯を持つってことは、守りに入るってことですかね?守りを固めて攻めに転じるってこともありますし、かみさんがいれば一人で悩んでいたことを二人で悩めるようになる。子どもができれば、三人で悩める。そういうことだと思います」

兄弟子である源さん(井上)は、そういって近藤を励ますのでした。

そんな祝言の最中、怪我をして追われていた山口が試衛館に助けを求めてやってきました。山口は借金の取り立ての際に、あやまって相手を斬り殺してしまい、役人から追われていたのでした。

やってきた役人をなんとか桂が追い返しますが、だからと祝言の最中に罪人を匿うこともできません。また山口も祝言の最中であることに気がつき、そこから立ち去ろうとします。そこへ つね がやってきます。自分が持ってきたお金を近藤に渡し、友人である山口のために使って良いというのです。

近藤は祝言を抜け出し、山口が逃走する手助けをしてもらうため、以前訪れた小料理屋にやってきます。近藤は、桜田門外の変水戸藩の浪人が逃亡する手助けを芹沢がしていると気付き、山口も助けてほしいと頼むのでした。

斎藤さん(山口一)を演じられているのはオタギリジョーさんなのですが、実は中学生当時私の中の斎藤さん像と違いすぎて えぇ…と思ったことを覚えています。勝手な印象ですが、オダギリジョーさんには軟派なイメージがあったんですよね。私の中の斎藤さんは寡黙で、冷静沈着で…という感じでしたので。

でも今回、最後まで見てみるとオダギリジョーさんが演じる斎藤さんもたまらなく良きでした。京都編からの斎藤さんがかっこよすぎて、ときたま可愛くってですねっ!やぁああ、オダギリジョーさんかっこいいわぁって。当時と今では、ここまで感想が変わるのかと自分でも驚いたものです。

6.ヒュースケン逃げろ

神社への奉納試合の帰り道、近藤と土方は米国公使通訳であるヒュースケンの暗殺の企みに巻き込まれてしまいます。そこで永倉新八と再会します(2話)。永倉は、報酬金を目当てにヒュースケン暗殺に加わっていたのです。

土方は異人が斬られたところで関係ないだろうと言いますが、近藤は永倉達の卑怯なやり方に納得できないでいます。そして近藤は、永倉を罪人にないためにも、ヒュースケン暗殺を阻止することを決意し、ヒュースケンを待ち伏せ立ちふさがります。そして、異人のことは嫌いだが殺したいわけではない、頼むからこの日本から出ていってほしいとヒュースケンに頭を下げるのでした。

ヒュースケン「近藤さんに土方さん。私はこの国を愛しています。だから思うのです。この国はおかしいと。なぜ、世界と交わるのを恐れるんですか?なぜ殻に閉じ篭る?私はこの国のことを、この素晴らしい国のことをもっと世界に紹介したい」

土方「だからそれが大きなお世話なんだよ」

ヒュースケン「でも日本のことわざにもあるではないですか。井の中の蛙大海を知らず」

近藤は、異国の人であっても日本のことを想う気持ちや、武士道への理解があることを知ります。そして、この先でヒュースケンを暗殺しようとしている人たちがいることを伝え、逃げるように諭すのでした。

近藤は永倉にもそのことを伝え、ヒュースケンを暗殺しないように説得します。永倉もそれに同意して、ヒュースケンを助けるのでした。

その後、近藤は永倉を試衛館の食客として迎え入れるのでした。

7.祝四代目襲名

近藤勇が試衛館の四代目を襲名することになりました。襲名披露のために、天然理心流の門下生たちは、紅白に分かれて試合を行います。額につけた小皿を割られたら退場で、それぞれのチームの大将の皿が割られたら決着です。

宴席は夜まで続き、その中に原田左之助が混ざりこんでいました。そしてそのまま、試衛館の面々が気に入った原田は自身も食客になると、図々しくも言い張るのでした。

宴席をしていた宿には、たまたま坂本龍馬も来ていました。近藤は久々の再会に喜びますが、それも束の間。土佐勤王党血判状が原因で、近藤と坂本は一触即発の事態に陥ってしまいます。

なんとかその場は収まり、お互いの親交は深まるのでした。

8.どうなる日本

近藤は、講武所で教授方の仕事を仰せつかることになりました。しかし、講武所の面々はやる気のなさそうな武士ばかりです。

一方、藤堂平助は試衛館に加入したいという思いが高まり、今いる伊藤道場を抜けたいと思うようになります。沖田もそれに賛成し、伊藤道場へと直談判をしに行きます。道場主の伊藤甲子太郎は聡明な人ですが、藤堂の名前すら憶えていなかったのです。

しかし、道場を抜けて他の道場に弟子入り…というのはあまり、体裁もよくありません。そこで伊藤は、試衛館に藤堂を貸しているということであればという条件付きで納得するのでした。

その頃、土方は多摩の実家に帰ってお見合いを受けていました。相手はとてもきれいな女性で土方の好みでしたが、結婚する気はないと伝えます。それでも良いからと、二人は良い中になるのでした。

試衛館では、大量に置かれた石田散薬をどうするかが問題になっていました。土方が不在で勝手に捨てるわけにはいきません。しかし、ふでの怒りは頂点に達しそうです。そこへエゲレス公使館の警護をしているとある藩士が、石田散薬を買いたいと訊ねてきました。

今ある分をすべて買いたいと言い、あまりに量が多いため近藤や原田、沖田の姉であるおみつは運ぶのを手伝うことになりました。そこで、イギリス人殺傷事件に巻き込まれることになるのでした。

9.すべてはこの手紙

近藤が講武所に初めて勤務する日。近藤は門下生の一人である、藤堂を共に講武所へと向かいます。しかし、いざ到着してみると門前払いされてしまいます。以前、袖の下まで渡したのに、すべてが水の泡になってしまいました。試衛館の面々や、家族にいうこともできず、近藤と藤堂は夕方まで時間をつぶすことにしました。

そこで、坂本龍馬とまたもや再会します。坂本は土佐勤王党だけでなく、土佐藩も脱藩し、今は勝海舟のところにいると言います。坂本は、近藤と藤堂を勝の住まいへと案内します。そこには地球儀や異国から入ったものが数多く置かれていました。初めて見るものばかりで、2人は固まってしまいます。それから勝が現れ、その後に佐久間象山もやってきて2人の話を3人は聞いていました。

勝「これからは東洋と西洋のいいとこだけを集めて、新しい世の中をつくる」

佐久間「当然すぎて相槌を打つ気にもなれん」

勝「そう。じゃあ聞きますけどね。先生は西洋文明のいいところは何だとお考え?芸術なんだなぁ…まず、それを吸収する。じゃぁ東洋からは?道徳ですよ。東洋が西洋にすぐる何よりのもの。それは道徳だと思う」

そこで近藤は今朝自身に起こったことを勝に相談します。すると、勝は近藤の生まれが関係していると言います。近藤が百姓の生まれであることに気がついたから、不採用にされたのだと言うのです。

近藤はこのまま田舎道場の道場主として、平凡な人生を送るしかないのだろうか…とあきらめかけますが、つねが隠していた山南の手紙を発見します。そこには、幕府が志士を募り浪士組を結成すること。尽忠報国の志と健康な身体があれば身分を問わないということが記されていました。

手紙を読んだ近藤は心から喜び、外へ飛び出していくのでした。

10.いよいよ浪士組  

山南から浪士組結成の話を聞いた近藤は、清河八郎と対面します。

清河「今、京は天誅の嵐が吹き荒れています。将軍家にもしものことがあれば一大事。よって浪士組も警護のために京にのぼります」

近藤「京へ?」

山南「将軍家を不逞の浪士からお守りする。それが我らの役目です」

近藤は清河の想いに感動し、自身も参加することを決めます。養父や試衛館の食客の面々は賛成し、近藤・山南・土方・井上・原田・永倉・藤堂が京へ上ることになりました。しかし沖田は試衛館の道場を存続させるためには連れていくことはできないと、近藤は言い張ります。試衛館の中では一番の剣術の沖田は当然納得できるはずがありません。連れて行ってほしいと懇願しますが、近藤は聞き入れませんでした。

そしてやってきた入隊受付の日、近藤達の目の前に頭に手ぬぐいをまいた沖田が立ちふさがります。手ぬぐいを外すと、沖田が前髪を落とし月代姿で自身の覚悟を証明しました。

沖田「私はもう子どもじゃない」

永倉「近藤さん、沖田の剣が京の都でどれほど通用するのか、見てみたいと思うのは私だけではないはずです」

山南「私も同じ意見です。きっといずれ沖田君の剣が役に立つ日がくるように思う」

土方「総司。お前ここで泣いたら台無しだからな。近藤さん、総司は俺が責任を持ってあずかる」

総司の覚悟を見、また皆に諭されたことで近藤は、沖田も京都へ同行させることを決めるのでした。

沖田総司役を藤原竜也さんがされているのですが、ここの演技がたまらなく良きです。私がイメージする沖田総司にぴったりで、儚さと無邪気さ、その奥にある残酷性であったり。そういったもろもろが詰まっていて、本当に藤原竜也さんって凄いなぁとしみじみ。

11.母上行って来ます  

浪士組として京へとのぼる日が刻一刻と迫る中、それぞれが江戸でやり残したことをこなすべく動き出します。

養母の ふで と近藤勇の仲は、お世辞にも良いとは言えない関係でした。百姓あがりの勇に ふで は日ごろから冷たくあしらっていたのです。妻のつねも 勇と ふで が仲直りをしてほしいと願っています。

近藤「いつか母上が仰っていたとおり、人は自分の生まれを捨て去ることはできません。死ぬまで私は百姓の倅。一生武士にはなれない。しかしだからこそ私は思うのです。せめて心だけは武士でありたいと。武士以上に武士らしく生きる。それが私の願いです。もっともっと武士らしく生きたい」

ふで「なぜ、そんなにこだわるんですか」

近藤「そうでなければ、私をお育てくださった父上と母上に、妻に、そして己自身に申し開きが立たないからです」

勇がふでに歩み寄っても、ふでは相変わらずです。けれど、ふでの友人にも諭され、ふで自身の思いの丈を勇に語るのでした。

ふで「私はあなたを憎んだ。あなたに罪がないのは分かってますが、どうしても許せなかった。あなたがいとも容易く武士としての身分を手にしていくのをみて、更に腹が立った。私はずっとあなたを避けてきました。だから一番大事なことに気がつかなかったんです。昨日あなたの思いを聞いて、ようやく悟りました。私たちは、ともに百姓の家に生まれ、ともに武家の世界に入ろうとつとめ、死に物狂いでここまでやってきた。やっとわかりました。あなたは、私です。あなたは今の自分に折り合いをつけづ、あるべき姿を求めて生きてきた。私がずっとそうしてきたように。よく、がんばりました」

自分の生い立ちや、そこからどうしても近藤を許せなかったこと。そして、本当はどうするべきであったか。ふでは勇に今までの無礼を詫び、武士らしくなって帰ってきなさいと温かい声をかけて勇を送り出すのでした。

近藤さんの養母である ふで を演じているのは野際陽子さん。最初はいけずな養母という感じでしたが、本当は芯のある強い女性だったのですね。近藤さんとふでさんの仲直りのシーンはとても感動的で。野際さんの台詞を感涙しながら最後まで繰り返し拝聴。染みましたぁ

12.西へ!

浪士組出立の日。集合した浪士たちに、隊の編成が発表されます。しかし、近藤はまさかの平隊士扱いで、何の役にも付いていませんでした。山南が清河たちに事情を確認しに行きますが、結果は変わりませんでした。

そこで土方は幕臣たちに袖の下を握らせ、近藤に役職をつけさせることに成功したのです。そうして近藤は、宿割りの御役目につくことになったのでした。

集合した多くの浪士たちの中には、腕の立つものもいました。その一人が、以前小料理屋で顔を合わせたことのある芹沢鴨です。彼の手下は隊の編成に難癖をつけますが、粕谷新五郎によっておさめられます。

ただこの大勢の隊士の中に、本当の意味での尽忠報国の志をもつものは一体どのくらいいるのかと、永倉たちは不安に思うのでした。

そして、ついにいよいよ出立の時。試衛館の面々や、芹沢一派、数多くの隊士たちが江戸をたち、京を目指そうと、歩き出します。そこに、隠れて近藤を見送りにきた妻のつねが、別れの言葉を投げかけます。それを受け取った近藤は、強く前を向き、歩みを進めるのでした。

感想

ありがちな少年漫画で例えると、キャラクターの設定紹介と仲間集めをしたところ、といったところでしょうか。ロールプレイングゲームであれば、やっと最初の村から飛び出したと言った感じでしょうかね。いやはや正直なところ、12話かけてでしたので、京に出立するまでが長かった…!やっと出てくれた…!といったところです。

タイトルは「新選組!」ですが、あくまで局長の近藤勇の生涯をえがくドラマということで。まだ新選組にはなっていませんが、これからもまだかかりそうでございます。

この12話までの感想としては、当時どんなことがあったのかを説明してくれているところはとても分かりやすかったです。そこに近藤さんはたぶん関わっていないだろうなぁということにも、関わっているようで。坂本龍馬桂小五郎佐久間象山とも所縁が深かった…というのは、ちょっと、んー…ではありますが。

新選組の史実をなぞると言うよりは、史実の骨組みだけを持ってきて、それ以外はオリジナリティ満載でお送りします!といった印象でした。ま、実際のところは当事者以外はどんなことがあったかなんてわかりませんからね。これはこれでありだと思います。

よもやま話

今、関東に住んでいるのも何かの縁ですから、関東の新選組所縁の地もめぐりたいなぁなんて思いながら実践できていない今日この頃。それに来年のお正月付近で帰省した時も、京都の西本願寺壬生寺に行きたいなぁなんて考えています。

思えば、当時は数日かけていた東京-京都間も今では数時間。便利になったもんだなぁ。

はてさて12話でも結構なボリュームになってしまいましたが、ラストまで頑張って綴っていきたいと思います!