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映画・劇場版 幻想魔伝 最遊記 Requiem 選ばざれるものへの鎮魂歌 の感想

今から13年くらい前のこと。私がまだ中学生くらいだったと思います。小学生の頃にはまった『犬夜叉』や『烈火の炎』をきっかけに、オタク道をひた走っていたころ、クラスメイトだったかにおススメされた漫画が峰倉かずや先生の『最遊記』でした。

借りて読んだら見事にドはまりしまして、自分でコミックとかいろいろ買いあさったものです。漫画やノベライズ、アニメと様々な展開がされ、2001年には劇場版も公開されたんですよ。

先日、アマプラで見る映画リストを作成していたらです、おススメにあがってきまして。びっくりです。「うわっ、懐かしい」と咄嗟に口をついてでたものです。折角ならば…ということで、今回は『劇場版 幻想魔伝 最遊記 Requiem 選ばざれるものへの鎮魂歌』を観ましたので、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

最遊記のあらすじ

そもそも最遊記とはどういった物語なのか、ですね。皆様がご存知の『西遊記』とは全く別物です。

物語の舞台は桃源郷。そこはかつて、人間と妖怪とが共存する平和な世界だった。しかし、500年前に闘神・哪吒(なたく)太子によって、天竺国・吠登城に葬られた大妖怪「牛魔王」を、禁忌とされている「科学と妖術の合成」によって復活を目論む者が現れた。その影響で、「負の波動」が桃源郷全土に広がり、妖怪達は突如として自我を失い、凶暴化して人間を襲い始めた。

混沌と化す桃源郷、この事態を重く見た観世音菩薩は三仏神を通じ、玄奘三蔵孫悟空沙悟浄猪八戒らを連れて西へ行くように命じる。こうして4人はジープに乗り、西を目指す旅が始まる。全ては「牛魔王」蘇生実験の阻止のために。

(Wikipediaより引用)

最遊記シリーズ - Wikipedia

桃源郷が舞台とありますが、煙草も缶ビールも拳銃も、なんならクレジットカードも出てきます。文明は進んでいるけれど、スマホやネットとかがある感じではありません。コンピューターは出てきたような気がしますけれど。とても不思議な世界観です。

映画のあらすじ

西域の天竺を目指す三蔵一向はある日、砂漠の真ん中で道に迷ってしまいます。夜までに街につくはずだったのに、一向に付かないのです。どうしたものかと悩んでいるところ、近くの森から少女が駆け出してきました。彼女は彼らに逃げるように言って、自身も逃げ出します。なんと彼女は巨大な怪鳥に追われていたのです。

三蔵一向は成り行きで彼女を助けることになりました。彼女の名は朋蘭と言いました。助けてもらった礼にと、彼女が仕えている主人の屋敷に免れ歓待を受けることになりました。豪勢な食事に喜ぶ、悟空や悟浄たち。けれど三蔵は何か違和感を感じているようでした。

その夜、三蔵一向は屋敷に泊まることになりました。それぞれの離れが用意され、今夜はゆっくりと静かに、それもフカフカのベッドで休むことができることに喜びます。けれど、彼らのもとに魔の手が忍び寄っていたのでした。

ネタバレと感想

最遊記は、各キャラクターが皆、激重な過去を抱えています。孤児の自分を拾ってくれた師匠が殺されてしまったり、義理の母親に殺されかけたところを異母兄弟の兄に救われるも代わりに母が殺されてしまったり、双子の姉を愛してしまったけれど目の前で自殺されてしまったり…過去編も入れるともっとあるんですけれど、そういったなかなかに重~~い過去を背負った4人が天竺への旅を進めています。

これをね、中学生の頃に観ていたので…はい。良い意味でですよ、なかなかに癖を捻じ曲げてくれた作品だなぁと今でも思っております。実際の煙草を吸ったこともないのに、銘柄にはそれなりに詳しくなりましたし(三蔵さんが赤マルソフトを吸ってたので)、拳銃とか避妊具の絵を見て、訳も分からず模写していたあの頃が懐かしいものです。

そんな最遊記の映画版。ざっくり言うと、過去振り返り編みたいな感じでしょうか。

ネタバレしますと、お屋敷のご主人様というのが、過去に三蔵さんの身の回り世話をしいた小坊主なんですね。三蔵さんの力になりたいと願っていたのですけれど、人間で弱い彼は悟空たちのように共に行動することが許されません。守られなくてもいいように…と一念発起した彼は過酷な修行を積み、数年後三蔵がいた寺に戻ってきます。けれどその時、既に三蔵たち一行は天竺に向かって旅を勧めていたのでした。

何故、自分を連れて行ってくれなかったのか。何故、同行させてくれないのか…そんな感情は歪んだ方に暴走し、彼一人で悟空、悟浄、八戒の特徴を手に入れます。そして、三蔵一行の前に姿を現し、三蔵さん以外を殺し、自分を天竺までの同行者にしてもらおうとする…というお話し。各キャラクターを苦しめるために、結構過去の嫌な思い出に触れるようになっていて、敵の性格の悪さ…というか歪みが出ていて、そこは面白かったです。

まぁなんというか、そこまで物語があるか…と言われると、そうでもなく。こんな1日もあったのかもしれないねぇ…みたいな。面白いか…と言われると、好きな人がみたら面白い作品だろうね、という感じです。私は最遊記が好きなので好きですけれど。

ただアニメでもそうでしたが、やっぱり峰倉かずや先生の美麗すぎるイラストって当時のアニメーション技術では再現できないんですよね。今観ると、何でもないシーンの作画崩れが気になります。決めシーンでも、良い作画だなぁと思うシーンはあまりなくって…そこがちょっと残念でした。

でも!でもですよ!それがあったとしても許せる声の良さ!三蔵役は関俊彦さん、悟空役は保志総一朗さん、悟浄役は平田広明さん、八戒役は石田彰さん、その他草尾毅さんや置鮎龍太郎さんと錚々たるメンバーがそろっていまして。耳が幸せでした…!尊い。本当に皆良い声で、演技もお上手で…それだけでも見る価値あるよなぁと。

過去にも何度か見ているので、ストーリーを楽しむというよりは、確かこんなシーンあったよなぁと思い返しながらみたのですが、それでも楽しめました❀

よもやま話

峰倉かずや先生が休載されてから、原作を追うのを辞めてしまったのですが、いまもなお続いているようです。お体の調子などもありますから、本当に無理だけはしないでとそれだけが願いです。

私が絵を描き始めた中学生の頃、手元にあったのが峰倉かずや先生の画集でした。3冊の画集で、それを何度も見て、真似して描いたのを覚えています。ですので、結構作画の根幹的なところは先生の絵が参考になっているのかなぁ…なんて。峰倉かずや先生のような美麗な絵は微塵も描けませんが、私も最近 絵の練習を再開したので、1mmでも近づけたらいいなぁなんて思っております。

あ、ちなみに学生の頃は三蔵と悟浄推しで、大人になってから八戒にも浮気するようになりました。また原作読み直したいなぁ…

さて、次は何を観ましょうかね❀