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シンプリストになりたいのです

本・星の王子さま の感想

2025年は”以前から気になっていていて、いつか読もうと思っているけど読んでいなかった本を読もう”という密かな野望があります。小説や自己啓発本でも、よく紹介されていて気になるなぁ…と思うけど後回しにしている作品って結構あると思うですよね。

今回はその1冊目『星の王子さま』について、感想をネタバレ交えて綴っていきたいと思います。

星の王子さま とは

フランス人の飛行士でもあり小説家でもあるアントワーヌ・ド・サン=テグジュベリによって書かれた小説『星の王子さま』。彼の代表作である本作は1943年にニューヨークで出版されました。今では200以上の言語に翻訳され、世界中の人々に愛されている作品です。

あらすじ

「僕」がまだ6歳だったときのこと。原生林のことを書いた本で、猛獣を飲み込もうとしている大蛇ボアの絵を見ました。彼は、ジャングルでの冒険についていろんなことを考えて1枚の絵を描き上げました。けれど象を食べたボアの絵を誰も理解してはくれません。大人にはただの帽子の絵にしか見えないのです。そこで彼は中が見えるようにボアと象の絵を描きましたが、大人はそんな絵のことより、勉強をすすめてくるのです。

というわけで、僕は六歳にして、画家というすばらしい職業をめざすのをあきらめた。僕の絵第一号も第二号も認められなくて、がっかりしたのだ。

おとなというものは、自分たちだけではけっして なにもわからないから、子どもはいつもいつも説明しなくてはならず、まったくいやになる…

(P9より引用)

こうして画家以外の職業を選ぶことになった僕は、飛行機の操縦を習い、様々なことを学んでいきます。そして多くの”いわゆる有能な人たち”と出会ってきましたが、結局誰も、彼が今も持ち歩いているボアの絵を理解してはくれなかったのでした。

こうして僕は、今から六年前、サハラ砂漠に飛行機が不時着するまで、心から話ができる人もいないまま、ひとりで生きてきた。飛行機は、エンジンのどこかが壊れたのだ。整備士も乗客も乗せていなかったので、むずかしい修理をひとりでやりとげるしかないと、僕は覚悟を決めた。生きるか死ぬかの問題だった。飲み水が、一週間分あるかどうかだった。

(P10-11より引用)

彼が不時着した場所は、人が住む地から千マイルも離れた砂の上でした。夜になると砂漠の真ん中で一人、眠るしかなかったのです。

「お願い…ヒツジの絵を描いて!」

(P11より引用)

夜明け頃、彼は急に誰かに話しかけられて目を覚まします。声の主は、不思議な雰囲気の小さな男の子だったのです。どうしてこんなところに小さな男の子がいるのでしょう。けれど男の子は迷子になった様子でもなく、ただただヒツジの絵を懇願してくるだけでした。

そこで僕はしぶしぶ、ポケットから1枚の紙と万年筆をとりだしてヒツジの絵を描きます。けれど、男の子はなかなか納得してくれません。そこで、僕は一つの木箱を書いて男の子に手渡します。

僕「ほら、木箱だ。きみがほしがっているヒツジは、このなかにいるよ」

(P16より引用)

この絵で男の子はやっと納得してくれました。こうして僕は小さな王子さまと知り合ったのでした。

王子さまがどこから来たのかわかるまで、僕には時間がかかった。王子さまはたくさん質問するのに、こちらがたずねることには、まるでおかまいなしのようだったからだ。少しずつ、なにもかもが明らかになっていったのは、たまたま王子さまの口から出たことばが、つながっていってのことだった。

(P17より引用)

王子さまは、飛行機を初めて見たのか、これは何かと訪ねてきます。僕は、自分が空を飛べることを得意になって教えます。けれど王子さまの反応は、彼の思っていたものとは違っていたのです。

「えっ!きみ、空から落ちてきたんだ!」

「そうなんだ」今度は少し気弱になって、僕は答えた。

「あぁ!それはいいや!…」

そうして王子さまは、とてもかわいい声で笑いだしたが、僕のほうはかなり腹が立った。不時着という災難は、まともにとってほしかったのだ。ところが王子さまは、こう続けた。

「じゃあ、きみも空から来たんだね!どの星から?」

僕は、はっとした。なぜ王子さまがここにいるのかという謎に、ひとすじの光が差したようだった。そこからすかさず聞いてみた。

「それじゃきみは、よその星から来たの?」

だが王子さまは答えなかった。僕の飛行機を見つめながら、そっと首をふっただけだった。

「そうだね、これじゃ、そんなに遠くからは来られないね…」

(P17-18より引用)

なんと王子さまはよその星から来た男の子だったのです。僕は興味をかきたてられて王子さまに質問しますが、王子さまは答えてくれません。けれど、王子さまの紡ぐ言葉のあちらこちらから、彼のことを知る手がかりを見つけることはできたのです。

こうして僕は、とても重要なふたつ目のことを知った。王子さまの故郷の星は、一軒の家よりほんの少し大きいぐらいでしかない、ということを!

(P21-22より引用)

僕はきっと王子さまがやってきた星が小惑星B612だろうと考えていました。過去に一度だけ望遠鏡で観測された星で、学会にも発表されたけれど、天文学者の服装のせいで誰も信じてはくれなかったのだと言います。その後、洗練されたスーツでもう一度発表を行うと、天文学者の発表は人々に受け入れられたのです。

小惑星B612について、こんなにくわしく話したり、番号まで明らかにするのは、おとなたちのためだ。おとなは数字が好きだから。新しい友だちのことを話しても、おとなは、いちばんたいせつなことはなにも聞かない。「どんな声をしてる?」とか「どんな遊びが好き?」「蝶のコレクションをしてる?」といったことはけっして聞かず、「何歳?」「何人きょうだい?」「体重は何キロ?」「おとうさんの収入は?」などと聞くのだ。そうしてようやく、その子のことがわかった気になる。

(P23より引用)

そして僕が、こうして書いているのは、彼(王子さま)を忘れないためでした。友だちである王子さまを忘れないように。

そして僕だって、数字にしか興味のないおとなになってしまうかもしれないから。

(P25より引用)

けれど僕は、残念ながら、木箱のなかのヒツジを見ることはできない。たぶん、僕はもう、おとなたちと多少同じなのだろう。いつのまにか僕も、年をとってしまったにちがいない。

(P26より引用)

それから僕は、王子さまの星や、これまでの旅路について、毎日新しいことを知っていきました。

王子さまがかたわらであれこれ考えるにつれて、自然と僕にもわかってきたのだ。

(P27より引用)

そして僕は、王子さまとバオバブとの闘いのことを知るのでした。バオバブとはサバンナ地帯に分布する、大きな木です。高さは約30m、直径は約10メートルにも及びます。

王子さまが暮らしていた星には、良い草と悪い草がありました。良い草であれば、そのんまま育てても問題ありませんが、悪い草は早く対応しなければなりません。もしバオバブの木が、王子さまの小さな星に生えてしまったら大変です。王子さまは、ヒツジにバオバブが木になる前に食べてもらいたかったのです。

ある日、このことを僕の星、つまり地球の子どもたちも、よく頭に入れておけるように、いい絵を一枚がんばって描いておいたほうがいいと、王子さまはすすめてくれた。

「いつかその子たちが旅をするときに、役に立つと思うよ。仕事には、先延ばしにしてもだいじょうぶなものも、たまにある。でもバオバブの場合は、ぜったいに取りかえしがつかなくなる。ぼく、なまけ者が住んでいた星を知ってるんだ。そしつ、バオバブの小さな木を三本ほっておいたから…」

(P30-31より引用)

五日目、また新たな王子さまの秘密を僕は知ることができました。王子さまはヒツジが花を食べるのか、しかもトゲがあっても食べるのかを聞いてきたのです。僕は 食べるだろうと返答しましたが、そうすればトゲは一体何のためにあるんでしょう?王子さまは続けて聞いてきますが、そのときの僕は飛行機の修理が忙しく、半ば適当に答えたのでした。

「トゲなんて、なんの役にも立たない。あれは、花のいじわる以外のなにものでもない」

「ええ?」

だが一瞬静かになったあと、王子さまはくやしそうに言った。

「そんなの信じない!花は弱いんだ。ものも知らない。でもできるだけのことをして、自分を守ってる。トゲがあれば、みんな怖がると思ってるんだ…」

(P36より引用)

そして王子さまは決して食い下がることなく、僕に質問を続けます。僕は正直に適当に返したことや、他に大事なことがあることを伝えるのでした。

「きみはごちゃ混ぜにしてる…大事なこともそうでないことも、いっしょくたにしてる!」

王子さまは怒り、顔を紅潮させながら僕を非難します。何故、どうせ食べられてしまうのに花はトゲをつけるために努力するのでしょうか?それを知りたいと思うことは大事なことではないというのでしょうか?それは足し算や引き算よりも大切なことなのでしょうか?

「ぼくはこの世で一輪だけの花を知っていて、それはぼくの星以外どこにも咲いていないのに、小さなヒツジがある朝、なんにも考えずにぱくっと、こんなふうに、その花を食べてしまっても、それが重要じゃないって言うの!」

王子さまは、今や顔を紅潮させていた。そして続けた。

「もしも誰かが、何百万も何百万もある星のうち、たったひとつに咲いている花を愛していたら、その人は星空を見つめるだけで幸せになれる。〈ぼくの花が、あのどこかにある〉って思ってね。どでも、もしその花がヒツジに食べられてしまったら、その人にとっては、星という星が突然、ぜんぶ消えてしまったみたいになるんだ!それが重要じゃないって言うの!」

(P39より引用)

そして泣きじゃくる王子さまを、僕はただただ抱きしめるのでした。そして、ヒツジの絵に口輪を描いて、その花が食べられないようにすると約束するのでした。

それから僕は、その花のことを更に知っていきます。王子さまの星には、もともと一重の花びらの花が咲いていました。そして、朝開いた花は夕方には消えていくんだそうです。そこに、新たな芽がでてきました。王子さまはバオバブかもしれないと、注意深く観察します。けれどその芽は、小さな木になると、花をつける準備をはじめました。バオバブではなかったのです。

つぼみは何日も何日もかけて、秘密の身支度を勧めます。そして数日後、やっと花が開いたのです。その美しさに王子さまは感嘆の気持ちを抑えることができません。

「なんてきれいなんだ!」

「そうでしょう?」花は静かに答えた。「お日さまと一緒に生まれたんですもの…」

あんまり控え目じゃないんだな、と王子さまは気がついたが、それにしても胸を撃たれる美しさだった!

(P42より引用)

花は、やや気難しい性格でした。そして見栄を張ったり小さな嘘をついては、王子さまを困らせるのです。

こうして王子さまは、愛する気持ちがおおいにあったにもかかわらず、じきに花のことを信じることができなくなった。気まぐれなことばを真に受けては、とてもみじめな気持ちに落ち込んでいた。

「あの花の言うことを、ぼくは聞いちゃいけなかったんだ」ある日、王子さまは僕にうちあけた。「花の言うことなんて、けっして聞いちゃいけない。見つめたり、香りをかいだりしていればいいんだ。あの花は、ぼくの星をいい香りでいっぱいにしてくれた。なのにぼくは、それを楽しむことができなかった」

(P44-45より引用)

花は王子さまの星をいい香りで包んでくれました。言葉の裏には愛情があることにその時の王子さまは気が付けなかったのです。そして、逃げ出してしまったのでした。王子さまは、星をきちんと片づけて、花に別れを告げました。

花は王子さまを責めることなく、別れを受け入れました。彼を愛していたからです。でもやはり素直にはなれないのです。花は最後までプライドの高い花でした。

その後、王子さまは様々な星を訪ねて、仕事を探したり、見聞を広めたりすることにしました。1番目の星には、王さまがたった一人ですんでいました。王子さまが初めての民だったのです。王さまはあれやこれやと王子さまに命令しますが、王子さまは応えることができません。

王さまは早口になって、少し言いよどんだ。どうやら不愉快になったらしい。というのも、王さまは、なにより自分の権威が守られることを望んでいたからだ。命令に従わないなど、がまんならない。絶対君主なのだ。けれど性格のいい王さまだったので、無茶な命令を出したりはしなかった。

(P53より引用)

王子さまは、王さまにもいろいろと訊ねます。けれど、少しつまらなくなってきてしまいました。この星ですることはなくなってしまったのです。そして王子さまは、また旅をはじめるのでした。

「おとなって変わってるな」王子さまは、旅を続けながら、つぶやいた。

(P59より引用)

2番目の星には、大物気どりの男が住んでいました。王子さまに気がつくと、男は自分を称えるように言ってきます。

大物気どりの男にとって、人はみな彼を称賛する存在なのだ。

(P59より引用)

大物気どりの男も、たった一人でこの星に住んでいます。誰かと比較のしようもありません。それでも、この星で1番だと称賛されたいのだといいます。王子さまは、彼の望み通り称賛しますが、これのいったい何が面白いのか理解することができませんでした。

そうして王子さまは、その星をあとにした。〈おとなって、やっぱり変だ〉旅を続けながら、王子さまは、すなおにそう思った。

〈P62より引用〉

3番目の星には、酒びたりの男が住んでいました。王子さまがこの星にいたのはわずかな間でしたが、それでもとても憂鬱な気持ちになってしまうような、そんな星です。

「どうして飲んでるの?」王子さまがたずねた。

「忘れるため」男が答えた。

「忘れるって、なにを?」なんだかかわいそうになってきて、王子さまは聞いた。

「恥じているのを忘れるため」男はうつむいて、打ち明けた。

「なにを恥じているの?」救ってあげたいと思って、王子さまはたずねた。

「飲むことを恥じている!」酒びたりの男はそう言うと、沈黙のなかに、完全に閉じこもった。

王子さまは、どうしたらいいのかわからなくなって、その星をあとにした。〈おとなって、やっぱりすごく変だ〉旅を続けながら、王子さまは思った。

(P63-64より引用)

4番目の星は、実業家の星でした。実業家は仕事に忙しそうで、王子さまがやってきても顔すらあげません。王子さまが声をかけても、何やら必死に計算をしています。実業家が数えていたのは、星の数でした。目の前には5億もの星がきらめいていますが、その星の持ち主は有能な自分だと言い張ります。

けれど今まで王子さまが訪れた星には王さまもいましたが、そんな話はでていません。王子さまがそう言うと、あくまで王さまは治めているだけで、所有者は実業家であると屁理屈で返します。

「じゃあ、星を持ってると、なんの役に立つの?」

「金持ちでいられる」

「金持ちでいられると、なんの役に立つの?」

「ほかの星を変える。誰かが新しく見つけた時に」

〈この人は〉と王子さまは思った。〈あの酔っぱらいと、ちょっと似た考え方をしてるな〉

〈P68より引用〉

本来、星は誰のものでもありません。けれど自分が最初に思いついたのだから、自分のものだと実業家は考えているようでした。

王子さまは、有能であること、大事なことについて、おとなとはとてもちがった考えを持っているのだ。

(P70より引用)

そうしてやはり、王子さまは、その星をあとにするのでした。

〈おとなってやっぱり、まったくどうかしてるな〉王子さまは、旅を続けながら、すなおにそう思った。

〈P71より引用〉

5番目の星は、どこよりも小さな星でした。ガス灯が1本と、火をともす点灯人がひとりいるだけで、いっぱいの星でした。周囲に誰もいないこの状況で、ガス灯を灯すことにいったいなんの意味があるのでしょうか。

〈きっとこの人も、おかしな人なんだ。でもあの王さまや大物気どりや、実業家や酒びたりの人よりは、おかしくない。だって、この人の仕事には意味がある。この人がガス灯をともすと、まるで星がもうひとつ生まれ出るみたいだ。花がひらくみたいだ。そうして消すと、花は眠る。星が眠る。とってもすてきな仕事だ。すてきだってことは、役にたっているってことだ〉

(P72より引用)

けれど点灯人は付けたり消したりを繰り返しているようです。王子さまが理由をたずねても、そういう指示だからとしか答えません。理由なんて、点灯人にもわからないのです。

ただ昔は、この星はもう少しゆっくりと自転していました。昼も夜も休む時間がありました。けれど、今は自転の速度が速くなり、1分で1日の回転速度です。それでも指示の内容は変わっていないのですから、点灯人は休むことができません。点灯人がこの世で何より好きなものは眠ることですが、随分とかなえられてはいないようでした。

〈あの人は〉と王子さまは、また旅を続けながら思った。〈ほかのどの人にも、見くだされるんだろうな。王さまにも、大物気どりにも、酒びたりにも、実業家にも。でもぼくには、ばかげて見えないのはあの人だけだ。それはきっとあの人が、自分自身以外のことをいっしょうけんめいやっているからだろう〉

王子さまは、残念そうにため息をつくと、さらに考えた。

〈友だちになれそうだったのは、あの人だけだ。でもあの星は、やっぱり小さすぎた。ふたり分の場所はなかったもの…〉

(P76より引用)

そして王子さまは、6番目の星に辿り着きました。6番目の星は5番目の星より10倍も大きかったのです。そこには、大きな本を書いているおじいさんが暮らしていました。彼は地理学者でした。

「地理学者って、なに?」

「海や川や街、それに山や砂漠がどこにあるのか、知っている学者のことだ」

「わあ、おもしろそう」と王子さま。「これこそ、ほんとうの仕事って感じだ!」そうしてあたりをざっとながめた。これまでこんなに堂々とした星は、見たことがなかった。

(P78より引用)

けれど、地理学者にこの星のことを聞いてみても、何も答えられないのです。地理学者の仕事はあくまで、探検家の話を書き留めておくことで、自らが探検にいくわけではありません。この国の探検家はまったくもって不足しているから、何もわからないのです。

地理学者は王子さまに、王子さまの星のことを訪ねます。王子さまの星には、活火山が2つと、死火山が1つ。あと花が1輪咲いています。

「われわれは、花のことは書かない」

「どうしてですか!いちばんきれいなのに!」

「花は、はかないからだ」

「『はかない』って、どういうこと?」

「地理の本というものは」と学者は言った。「あらゆる本のなかで、最も確かなものなのだ。けっして古くなることはない。山が場所を変えることなどめったにない。海洋の水がからになることもめったにない。われわれは、永遠に変わらないことを書きしるす」

(P81より引用)

「で、『はかない』って、どういうこと?」一度質問したらけっしてあきらめない王子さまが、くり返した。

「『ほどなく消えるおそれがある』ということだ」

「ぼくの花は、ほどなく消えるおそれがあるの?」

「そうとも」

〈ぼくの花は、はかないんだ〉王子さまは思った。〈世界から身を守るのに、四つのトゲしか持っていない!それなのにぼくは、たったひとりで星に残してきた!〉

このときはじめて、王子さまの胸に、痛いような思いがわきあがってきた。

(P82より引用)

王子さまは気持ちを切り替えて、地理学者に次はどこに行けばいいかをたずねます。そして”地球”を勧められます。王子さまは、花のことを思いながら、6番目の星を旅立ったのでした。

そして7番目の星、地球にやってきました。地球は今まで王子さまが訪ねたどの星ともちがいます。王さまも大物気どりも酒びたりも実業家も山のようにいる、大きな大きな星なのですから。

地球に辿り着いた王子さまのの目の前には誰の姿もありませんでした。広大な砂漠に上陸したのでしょう。砂の中で、月の色をした輪のようなものを見つけました。王子さまが挨拶をすると、それはヘビで、王子さまが落ちてきた場所が地球のアフリカであることを教えてくれました。

「地球には、誰もいないの?」

「ここは砂漠だ。砂漠には誰もいない。地球は広いのさ」

小さな王子さまは、岩の上にすわると、空を見あげた。

「星はどうして、あかりをともしたみたいに光ってるんだろう。みんな、いつか自分の星に、帰っていけるようにするためかな。ぼくの星を見て。ちょうど真上にある…でも、なんて遠いんだ!」

(P87-88より引用)

そして王子さまとヘビは語らいます。ヘビは王子さまを遠くに連れていけると言うのです。

「おれは、触れた者をみな、元いた土に帰してやる。でもきみは汚(けが)れていないし、星から来たから…」

王子さまは、なにも答えなかった。

「かわいそうになぁ、こんなにか弱いきみが、冷たい岩だらけの地球に来て。いつか、もし故郷の星にどうしても帰りたくなったら、俺が力を貸そう。おれが…」

「うん!わかったよ」王子さまが答えた。「でも、どうしてきみは、謎めいたことばかり言うの?」

「おれにはすべてが解けるから」ヘビが言った。そうして二人とも、黙りこんだ。

(P89より引用)

それから王子さまは、砂漠を歩き続けます。途中で出会ったのでは花びらが3枚だけの、なんでもない花だけでした。王子さまは花に人間の居場所をたずねましたが、有力な手掛かりはありません。高い山に登ってみても、返ってくるのはコダマだけでした。

砂漠と岩と雪の中を随分と歩いて、とうとう王子さまは1本の道を見つけました。

道というものは、すべて人間たちのところへつながっている。「こんにちは」王子さまはあいさつした。そこには、バラの花咲く庭園があった。

(P95より引用)

そこに咲いていたバラは、王子さまの星に咲いていた花とそっくりだったのです。

あの花は、自分のような花はこの世に一輪しかないと話していたのだ。ところがいま目の前に、そっくりの花が五千もあるではないか。それもたったひとつの庭園のなかに!

(P96より引用)

そして王子さまは気がついてしまったのです。たった一輪だけの宝物のようなバラだと思っていたけれど、実のところはありふれたバラだったと。

〈そんなものだけじゃ、ぼくはりっぱな王子さまになれないよ…〉そうして王子さまは、草の上につっぷして、泣いた。

(P96より引用)

そんなときに出会ったのがキツネだったのです。悲しみに暮れる王子さまは、キツネと遊ぼうと声を掛けますが、キツネはなついていないから遊べないと言います。

「きみ、ニワトリをさがしてるの?」

「ううん」王子さまは言った。「友だちをさがしてる。『なつく』って、どういうこと?」

「ずいぶん忘れられてしまってることだ」キツネは言った。「それはね、『絆を結ぶ』ということだよ…」

「絆を結ぶ?」

「そうとも」とキツネ。「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみも、べつにぼくがいなくてもいい。きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネとなんの変りもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界で一匹だけのキツネになる…」

(P99-100より引用)

キツネは王子さまになつかせてほしいと頼みますが、王子さまにはあまり時間がありあません。

「なつかせたもの、絆を結んだものしか、ほんとうに知ることはできないよ」キツネが言った。「人間たちはもう時間がなくなりすぎて、ほんとうには、なにも知ることができないでいる。なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売ってる店なんてないから、人間たちはもう友だちがいない。きみも友だちがほしいなら、ぼくをなつかせて!」

「どうすればいいの?」王子さまは聞いた。

「がまん強くなることだ」キツネが答えた。

(P103より引用)

それから王子さまは少しずつ、キツネとの距離を縮めていきます。そしてキツネをなつかせることができたのでした。しかし、出発のときが迫っています。キツネは別れを悲しんで泣きそうですが、そもそも仲良くなろうと言い出したのはキツネです。王子さまはいいことなんてなかったとキツネに言いますが、キツネはそうではないと答えるのでした。そして王子さまにもう一度、バラたちに会いに行き、その後、自分にも別れを告げにきてと言います。そうしたら、キツネの秘密を一つ教えてくれると言うのです。

王子さまは、もう一度バラたちに会いに行きました。

「あれ、きみたちは、ぼくのバラにはぜんぜん似てないや。きみたちはまだ、いてもいなくても、おんなじだ」

(P107より引用)

王子さまはバラたちに言いました。確かに目の前にあるバラは美しい。けれど、王子さまと親しくなろうとはしませんでした。

「きみたちは美しい。でも外見だけで、中身はからっぽだね」王子さまは、さらに言った。「きみたちのためには死ねない。もちろんぼくのバラだって、通りすがりの人が見れば、きみたちと同じだと思うだろう。でもあのバラだけ、彼女だけが、きみたちぜんぶよりもたいせつだ。ぼくが水をやったのは、あのバラだもの。ガラスのおおいをかけてやったのも、あのバラだもの。ついたてで守ってやったのも、毛虫を(蝶々になるのを待つたっめに二、三匹残した以外)やっつけてやったのも。文句を言ったり自慢したり、ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。だって彼女は、ぼくのバラだもの」

(P107-108より引用)

そして王子さまはバラたちの元をあとにして、キツネの元に戻り、改めて別れの挨拶を交わします。

「じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」

「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまは繰り返した。

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

「ぼくが、バラのために費やした時間…」忘れないでいるために、王子さまは繰り返した。

「人間たちは、こういう真理を忘れてしまった」キツネは言った。「でも、きみは忘れちゃいけない。きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに、責任がある…」

「ぼくは、ぼくのバラに責任がある…」忘れないでいるために、王子さまは繰り返した。

(P108-109より引用)

王子さまはまた、旅を続けていきます。王子さまが次に出会ったのは、線路のポイントを切り替える鉄道員でした。2人の横を、特急列車が猛スピードで通り抜けていきます。鉄道員は、その列車を右に、左にと送り出しています。けれど、乗客が何を探しているのか、彼はおろか運転士すら知りません。

「みんな、自分のいたところに満足できなかったの?」

「人は、自分のいるところにけっして満足できない」鉄道員が言った。

(P110より引用)

車内にいる乗客は、寝ていたりあくびをしていたりで、子ども達だけが窓に張り付いて景色をみています。

「子どもたちだけが、なにをさがしているのか、わかってるんだね」と王子さま。

(P111より引用)

それから王子さまは物売りに出会いました。物売りは喉の渇きを癒す薬を売っていました。その薬を1週間に1粒飲めば、水を飲みたいと思わなくなるのだそうです。その結果、一週間になんと53分の節約ができると言います。

「それでその五十三分をどうするの?」

「好きなことに使うのさ…」

〈ぼくなら〉と王子さまは思った。〈もし五十三分あったら、そっと、ゆっくり和泉にむかって歩いていくよ…〉

(P112より引用)

そんな話を僕が王子さまから聞いたのは飛行機が不時着してから1週間目のことでした。まだ修理は終わっていないというのに、飲み物がなくなってしまいました。それでも、王子さまは話を続けようとします。僕はこのまま喉が渇いて死んでしまうかもしれないのですから、王子さまの話どころではありません。

僕は、王子さまが喉も乾かなければ、食べ物も必要ないのだと思っていました。陽の光さえあれば、王子さまは生きていけるのだと。

「ぼくだって、のどが渇いたよ…井戸をさがそうよ…」

(P114より引用)

そして、僕と王子さまは井戸を探すために歩きだすのでした。何時間も歩いていくうちに、夜になってしまいました。空には星々がきらめいています。疲れ果てた王子さまは、座り込んでしまいます。僕も同じように横に座りました。

「星々が美しいのは、ここからは見えない花が、どこかで一輪咲いてるからだね…」僕は「ああ、そうだ」と答えると、あとはもう何も言わずに、月に照らされたやわらかな砂の起伏を見つめた。

(P115より引用)

それから眠ってしまった王子さまを抱きあげて、僕は一人で砂漠を進みます。そしてついに、井戸をみつけたのでした。その井戸は、サハラ砂漠でよく見かける井戸とは異なっていて、まるで村の中にあるような井戸でした。僕は夢を見ているのかもしれないと思いながらも井戸に近づきます。王子さまは井戸の綱を掴み、滑車を動かそうとします。井戸が目を覚まして、歌っているようです。僕は、王子さまに無理をさせないように、綱をひくのを代わります。そしてその水を、王子さまにあげるのでした。

「この水が飲みたかったんだ」小さな王子さまは言った。「ぼくにちょうだい…」

そうか、きみは、これをさがしていたんだね!

(P120より引用)

そして僕も水を飲み、喉を潤します。王子さまは、以前僕とした約束の話を始めます。ヒツジの絵に口輪を書き添えるという約束です。僕は口輪を鉛筆で描いて、王子さまに手渡します。

そしてそれを王子さまにあげると、なんだか胸がしめつけられるような気持ちになった。

「なにか考えてることがあるんだね。僕の知らない…」

だが王子さまは、答えなかった。かわりにこんなことを言った。

「ぼくが地球に落ちてきたこと、前に話したでしょ…あしたがちょうど、その一年目の日なんだ…」そしてしばらく口をつぐむと、また言った。

「このすぐ近くに、落ちてきたんだよ…」

(P123-124より引用)

王子さまが、この砂漠にいたのは偶然ではなかったのです。王子さまは、自分が落ちてきた場所に戻ろうとしていたのでした。そして、王子さまと僕は翌日の夕方、またここで会おうと約束するのでした。

翌日の夕方、僕は同じ場所へやってきました。王子さまは誰かと話しているようです。よく見るとそれはヘビでした。

少し黙っていたあとで、王子さまはまた言った。

「きみのは良い毒なんだね?ぼくを長く苦しませたりしないね?」

僕は思わず足を止めた。胸がしめつけられた。それでもなにもわからなかった。

(P126より引用)

王子さまの足元にいたのは、30秒もあれば人の命を奪えるあの黄色いヘビでした。そのヘビが王子さまにむかって鎌首をもたげているのです。僕が拳銃で対抗しようとしている間に、ヘビはすうっと砂の中に消えてしまいました。僕は王子さまを抱きとめて、水を飲ませました。するとそれ以上、問いただすことができなかったのでした。

僕は、飛行機の修理が無事終わったことを王子さまに伝えようとしていましたが、王子さまは言葉にしなくともそれがわかったようです。どうしてわかったのかを聞いても、王子さまは答えてくれません。

「ぼくも、きょう、家に帰るんだ…」それから悲しそうに、こうつぶやいた。

「でも、もっとずっと遠い…ずっとむずかしい…」

僕は、なにかとんでもないことが起きようとしているのを感じた。

(P129より引用)

そして王子さまは寂しそうに微笑むのでした。

「たいせつなことは、目では見えない…」

「そうだね…」

「花のことと似てるな。どこかの星に咲いてる一輪の花を愛していたら、夜空を見上げるのは、心のなごむことだよ。星という星ぜんぶに、花が咲いているように見える」

「そうだね」

(P131より引用)

それは、僕が王子さまにあげた水も同様です。

「夜になったら星を見てね。ぼくの星は小さすぎて、どこにあるのか教えられないけど。でもそのほうがいいんだ。ぼくの星は、夜空いっぱいのほしのなかの、どれかひとつになるものね。そうしたらきみは、夜空ぜんぶの星を見るのが好きになるでしょ…ぜんぶの星が、きみの友だちになるでしょ。今からきみに、贈り物をあげるね…」

そして王子さまは、笑った。

「ああ!きみの笑い声を聞くの、大好きだ!」

「そう、これがぼくの贈り物だよ…あの水のお礼だよ…」

「どういうこと?」

「人はみんな、その人なりの星を持ってる。旅をする人たちなら、星は案内役だ。そうでない人たちなら、ただのちっちゃな光。学者たちにとっては研究するものだし、ぼくが会った実業家にとっては、金でできているものだった。でもどの星も、口をつぐんでる。だからきみには、誰も持ってないような星をあげるよ…」

「どういうこと?」

「きみが星空を見あげると、そのどれかひとつにぼくが住んでるから、そのどれかひとつでぼくが笑ってるから、きみには星という星が、ぜんぶ笑ってるみたいになるっていうこと。きみには、笑う星々をあげるんだ!」

(P132-133より引用)

そういって王子さまは楽しそうに笑うのでした。僕が星空を見あげる度、王子さまのことを思い出して笑うことができるのです。その夜、王子さまは自分の星に帰るようです。その姿は、苦しそうであり、死んでしまったように見えるからと、僕には来ないでほしいと言います。けれど、僕は王子さまから離れたくはありません。

その夜、王子さまは人知れずそばを離れていたようです。僕が気がつき、追いかけても、やはりついてこないように言います。

「やっぱりだめだよ。つらい思いをするよ。ぼく、死んだみたいになるから。でも、それはほんとじゃないんだ…」

僕は黙っていた。

「ね。遠すぎるんだ。このからだを運んでいけないもの。重すぎるもの」

僕は黙っていた。

「でもそんなの、古い抜けがらみたいなもんだよ。古い抜けがらなんて、なんにも悲しくないでしょ…」

(P135より引用)

そして、その後、王子さまと僕が言葉を交わしたあと、王子さまはゆっくりとくずおれたのでした。

空を見あげてみてほしい。そうしてこうたずねてみてほしい。〈あのヒツジはあの花を、食べたかな、食べてないかな?〉するとなにもかも変わって見えるのが、きみたちにもわかるだろう…

でもそれがそんなに大事なことが、おとなには、ぜんぜんわからないだろう!

(P143より引用) 

感想

私が今回読んだのは、新潮文庫から平成18年に出版された『星の王子さま』です。比較的新しい訳の方が読みやすいと思い、これを選びました。特に問題なく、最後まで読みやすかったです。

児童文学のようでありながら、まるで詩のようでもあり、大人が読んでも学びの多い1冊だと思います。2023年で80周年とのことですが、それだけの年月がたっても古くならない、愛や時間といった”大事なもの”がテーマとなっていて、これがいつまでも愛される理由なのかなと思いました。

また、出会った年齢によっても受け取り方はきっと変わってくる作品だと思います。子どもの頃、大人になって、そして老年期に突入して…では見えるものは変わってきそうですから、人生の1冊になりえるのかもしれません。

特に調べてはいないのですが『星の王子さま』を考察している方も大勢おられるようで。確かに王子さまは、バラは、火山は何をあらわしているんだろう?と考察するのも、楽しそうです。

私が思ったのは、”僕”とは現在のサン=テグジュペリであり、”王子さま”は幼少期のボア(ヘビ)の絵を描いていた頃のサン=テグジュペリなのだろうなぁ…と。王子さまが住んでいた星は、故郷やホームであり、バラは別れてしまった昔の恋人、火山はかつての夢であったり才能であったり、はたまた親とかかなぁ…と、まぁありきたりな考察(にもなっていないけれど)です。

三十五歳のときに、賞金のかかっていたパリ=サイゴン間の飛行記録に挑戦し、リビア砂漠に不時着して、生死のあいだをさまよう。

(P153 訳者あとがき より引用)

こういった経験が『星の王子さま』に繋がっているのでしょう。実際は機関士と2人で3日間彷徨ったそうですが、そういうときって自己と向き合うことにもなるでしょうね。最後、”僕”が無事飛行機の修理が完成し、現実に帰れるようになれば、自己の核である王子さまと向き合うひまはなくなってしまいます。現実に戻る=王子さまは”僕”の体にかえる=死んでしまうようにみえる、という構図なのかなぁとか。

あとはどうして地球に王子さまが来たときは「落ちてきた」という表記で統一されているんですよね。他の星の際には、「落ちる」という表現はされていないんです。地球だけ「落ちる」なのは何故でしょう。「落ちてきた」と考えると生れ落ちるとか、出てきてしまった的なイメージを受けたのですが、原文が気になるところ。

もう一つは、地球に来てからは何故、「時間がない」と王子さまは言うのでしょうかね。バラが待っているから?ヘビとの約束までのリミットがあるから?それとも、自分が成長してしまって大人になってしまうまでの時間があとわずかしかないから?とか、いろいろ考えると面白かったです。

あくまで、個人の感想や考えなので、人によって違うんだろうなぁというのも、面白いポイントだと思います。また複数回読んだら印象も変わるかもしれませんね。

よもやま話

読後、あれはどういうことなんだろうといろいろ考えていて、ふとよぎったのはクレヨンしんちゃんの映画『オトナ帝国の逆襲』でした。ざっくり説明すると大人たちが「20世紀博」で、懐かしい香りだったりアトラクションに魅了され、そこで童心に返って戻れなくなってしまいます。大人たちがいなくなった現実世界では子ども達(しんちゃんやかすかべ防衛隊)が活躍し、大人たちを取り戻す的なストーリーです。

主人公であるしんちゃんが、父親であるヒロシを現実に引き戻すシーンがありますが、あそこが浮かんだんですよね。ヒロシが現実に戻った瞬間、まるで幼児退行するかのように体を縮めて泣くんです。腕ではしんちゃんを抱きしめているし、言動は大人なんですけれど、細かい仕草が 子ども なんですよね。それが思い浮かんだので、私が『星の王子さま』を読んで、こういうことなのかな?と考えた結論は、感想で述べたような感じになったのだと思います。

本当に大切なものは目に見えないというキツネの言葉は、忘れないように心に刻みたいと思います。このブログでの読了記録は、アウトプットの意味もあるのですけれど、しばらくたってどんな本だったかを忘れてしまいかけているときに、読み直して再インストールする役割でもあったりします。忘れかけているなぁと思ったときは、またここに来て王子さまたちのお話しに耳を貸そうかと。

ちなみに『星の王子さま』の絵本を買うだけかって読んでいないので、それもまたゆっくり浸りながら読もうかと思います。