少し前に三谷幸喜監督映画の『ラヂオの時間』をみました。撮影当時と今ではラジオのポジションや、時代背景が大きく異なるとは思います。それでも今に通じるメッセージを読み取ることができ、とても面白い作品でした。
これまで三谷幸喜監督の作品を食わず嫌いならぬ、見ず嫌いしていた私。これは良い機会ということで、三谷幸喜監督の他の作品もみてみました❀まず今回は『THE 有頂天ホテル』について、ネタバレ交えて綴っていきたいと思います。
あらすじ
舞台となるのは『ホテル・アバンティ』という高級ホテル。今日はいつにも増して忙しい大晦日の夜を迎えようとしていました。
ホテルの副支配人の新堂は、アシスタントマネージャーの矢部、そしてもう一人の副支配人の瀬尾たちを含めた多くのホテル従業員と、忙しなく動きまわっています。その夜、ホテル・アバンティでは、カウントダウン・パーティや この一年で功績のあった人物を表彰する『マン・オブ・ザ・イヤー』の授賞式が開催される予定でした。
しかしカウントダウン・パーティに出演するはずだったアヒルのダブダブが逃げ出し、垂れ幕の”謹賀新年”の文字が”謹賀信念”と間違っていたりと、さまざまな問題が発生します。更に新堂はたまたま元妻と再会し、その際に嘘の大見栄をはって『マン・オブ・ザ・イヤー』の受賞者は自分であると言ってしまったのです。1つついてしまった嘘はどんどんと膨らんでいってしまいます。
一方、客室係のハナは息子を母親に預けて今日も遅くまで仕事に取り組んでいます。しかし、彼女はホテルに現在潜伏中の政治家・武藤田の元愛人だったのです。武藤田はクリーンなイメージで人気がありましたが、横領の疑いをかけられホテルに身を潜めていたのでした。ハナは武藤田に見つからないように気を付けながら仕事をしていましたが、また別の不倫カップルの別れ話に巻き込まれていくのでした。
さらにさらに、シンガーソングライター志望のベルボーイ只野はこの日が仕事の最終日でした。歌手になる夢を追いかけながらベルボーイをしていましたが、28歳になっても誰からも評価されず田舎に帰ることにしたのです。
仕事を終え 今まで使用することのできなかったラウンジでゆっくりしていると、昔の友人である なおみ と再会します。彼女は只野と違いキャビンアテンダントになるという夢を叶えたようでした。2人が談笑しているところに、アシスタントマネージャーの矢部がやってきて、あまりに多忙なため もう1日だけ手伝ってほしいと頼まれます。最初こそ断ろうとしますが、只野は流れで仕事を手伝うことになりました。
只野は大物演歌歌手 徳川を部屋に案内することになり、なおこは徳川と近づくことで只野の歌手になりたいという夢の足掛かりになるのではと応援します。しかし徳川は、舞台に上がることを極端に怖がり、子どものように泣きわめき、死にたがっているようで…。
様々なトラブルが重なり合い、ホテル・アバンティはさらにさらに大忙しになるのでした。
感想
登場人物がとにかく豪華で、なにより多い。ですが不思議とキャラクターがかぶるという様子はなく、それぞれがきちんとキャラクターとして成り立っているのがすごいなぁと思いました。
ざっくり感想を言うと、面白かったです。いろんなトラブルが起きて、このままじゃ収集がつかないぞー!って思っているところで、風船がシュンシュンと萎むように解決していくのはなかなか爽快なものがありました。笑いあり、ほっこりあり でありながら、ちょっと風刺もきいている。 喜劇 という言葉がよく似合う映画だなぁと感じました。
ただ個人的にはそれらがあまりに多すぎて とっ散らかっているように感じるというか、怒涛の流れに付いていけないというか、そんな感覚はありました。情報過多といえばしっくりくるかしらん。
それでも2時間少しの映画が、あっという間に感じるくらい退屈することはありませんでした。うん、面白かった。
よもやま話
以前、三谷幸喜監督が脚本をされた大河ドラマ『新選組!』を全話みたのですが、『THE 有頂天ホテル』には同じ役者さんが多く参加されているようでした。
私が気がついただけでも、ベルボーイ只野役の香取慎吾さん、政治家の武藤田は佐藤浩市さん、そのほかオダギリジョーさん、伊東四朗さん、戸田恵子さん、生瀬勝久さん、川平慈英さん、熊面鯉さん、麻生久美子さん、阿南健治さん、相島一之さん…きっと他にもおられると思います。
大河『新選組!』が2004年、そして『THE 有頂天ホテル』が2006年ですので、なんだか同窓会のようにも感じました。『新選組!』で近藤勇役を演じた香取慎吾さんと、芹沢鴨役を演じた佐藤浩市さん。史実では芹沢鴨は道半ばで新選組の面々に暗殺されました。要は近藤さんは芹沢さんを直接ではないにせよ暗殺したわけです。
しかし映画では自死をしようと考える武藤田(佐藤浩市さん)を、直接ではないにせよ助けるのは只野(香取慎吾さん)です。その後、武藤田が只野を抱きしめているシーンは感慨深いものがありました。まるで転生した2人をみているようでした。たまたまかもしれませんけれど。新見錦役を演じられた相島一之さんと仲良く(?)しているシーンもよかったなぁ…。三谷監督は意図していないかもしれませんが、とても嬉しくなるシーンでした!
はてさて、今回はこの辺で❀
